「ご飯の時は、歩かないの!」「遊んだ後は、片付けて!」3歳になって、色々な事が出来るようになったけれど、毎日同じ事を言い続ける日々。「何度言えば分かるの?」とイライラしてしまう事も、あるのではないでしょうか?
大切なのは、教えるべき事を、落ち着いて、繰り返し伝えていく事。それが出来ていれば、大丈夫です。
でも、しつけはすぐには身につかないもの。本当に伝わっているかどうか、不安になる時もありますよね。
ここでは、3歳児のしつけのポイントを2つご紹介します。子供への伝え方を工夫したり、ちょっとした習慣を取り入れたりする事で、「伝えているから、大丈夫!」と思えるようになりますよ。
3歳児のしつけ、2つのポイント
「子供が騒ぎ、しつけが足りないと言われた」「教えたくても、子供が言う事を聞いてくれない」など、親を悩ませる子供の「しつけ」。
ここでは、3歳児にきちんと届く「伝え方」を知り、しつけの基準になる「わが家のルール」についても考えてみましょう。
「何度言ったら分かるのだろう?」が「きちんと伝えているから、大丈夫!」に変わると、前よりも、しつけが楽に感じられるはずです。
①3歳児に伝わっている?
「これが良い」「これは嫌」と自己主張も強くなる3歳児。何でも素直に聞いてくれる訳ではありません。「ちゃんと伝わっているのだろうか?」と考えたくなりますよね。
3歳児に分かりやすく伝えるポイントは、「具体的に」言う事です。
たとえば、子供が道路に飛び出しそうになった時、「あぶない!」よりも「止まって!」と言った方が伝わります。伝える事の目的は、子供の行動を変える事ですよね。
「あぶない!」と聞いて、大人は止まる事ができますが、3歳の子供にはどうしたら良いのか分かりません。子供にして欲しい事を、具体的な言葉で伝えましょう。
後で「なぜ危ないのか」という理由を説明する事も忘れずに。すぐには理解できなくても、成長と共に、自分の頭で考え、理解できるようになっていきますよ。
しつけとは、子供が生きていく上で必要な事を、教えていく事。身の回りの事から、社会のルールまで、した方が良い事と、してはいけない事を教えていく事です。
そして、それを3歳児に伝えるわけですが、3歳児は語彙力や思考力が未熟です。先を見通す事も難しく、言われた事をイメージできなかったり、理解できなかったりする事も多いのです。
ですから伝える時は、具体的に、短く簡潔に。言葉で伝わらなければ、イラストで描いてあげるなど、お子さんが分かりやすい表現を工夫してみましょう。
ところで、子供に「〇〇をやめなさい」などと言っても、すぐに止めない事もありますよね。そんな時、子供は話を聞いていないのでしょうか?
聞いていないように見えて、実は伝わっている事も多いものです。たとえば本人は散々注意されても止めなかったのに、同じ事をする弟や妹に「〇〇だから、しちゃだめなんだよ」なんて説明している事も。
3歳児は自分の「やりたい」気持ちをコントロールして、我慢する力も未熟です。「分かっているけど、止められない」という事、大人でもありますよね?
ですから、「今すぐに止めさせなければ」ではなく、落ち着いて、繰り返し伝えていけばOK。1年後、2年後には出来る事が増えていきますよ。もちろん、先ほどの「飛び出し」のように命に関わる場合は、体を張ってでも止めなければいけません。
②「わが家のルール」はある?
皆さんのお家では、「わが家のルール」はありますか?「ご飯の前にお風呂に入る」と言ったものから「人を傷つけてはいけない」と言ったものまであると思います。
このようなルールを決める事で、「した方が良い事」と「してはいけない事」をはっきりさせ、親子で共有する事ができます。
先に触れたように、自己主張も強くなる3歳児。ともすれば、親は子供の主張に振り回され、「いいよ」と言ったり、「今日はダメ」と言ったり、しつけの基準があいまいになってしまう事も。そんな時に「わが家のルール」が役に立ちます。
一度決めたルールは、家族で守り、一貫性を持たせる事が大切。家族によって言う事が違っていたり、大人の都合で「今日はいいか」となってしまったりすると、子供も混乱してしまいます。同居の祖父母がいれば協力してもらい、ルールを一貫して守るようにしましょう。
また、「わが家のルール」を家族で守り続けると、いつしか習慣となり、生活がスムーズになるというメリットも。
仕事を持ち、3人の男の子を育てるママが「ウチは小さい頃から、ご飯の前にお風呂に入る事にしているから、夕食後は食べて寝るだけ。楽だよ~」と話していました。
小さい頃から習慣化しているので、毎晩「お風呂はいつ入るの?」「早く入りなさい!」なんて、何度も言う必要がないのだな、と羨ましく思ったものです。
まだ3歳の今だからこそ、わが家の生活に合ったルールを、親子で考えてみてはいかがですか?数年後の生活が楽に、スムーズになったら良いですよね。
ルールを守る事は、子供が社会で生きていくうえで大切な事。
子供にとっては我慢も必要になってきますので、最初はルールが守れなかったり、うまくいかない事の方が多いかもしれません。
ここでも、繰り返し、伝えていく事が大切です。出来た時には、すかさず、褒めてあげましょう!「ルールを守る」ことは良い事なんだ、と少しずつ分かっていきますよ。
3歳児のしつけで、親がイライラしないコツ
「何回言ったら分かるの!」「やめないと、置いていくよ!」子供に対し、穏やかに、繰り返し伝える事が大切だと分かっていても、疲れがたまって、イライラを子供にぶつけてしまう事って、ありますよね。どうしたら、子育てのイライラを減らす事ができるのでしょう?
イライラをためないコツは、親も子供も100点を目指さない事。ありのままを受け入れる事です。
これまで見てきたように、3歳の子供はまだ、言われた事を完璧になんて、できないからです。そして親もまた、育児が始まると、何もかも完璧にやる事は無理だという事に、気付くようになります。
とは言え、これまで仕事や家事に真面目に取り組んできた方ほど、育児も完璧にやりたい、という思いから、なかなか抜けれない事もあるでしょう。ありのままを受け入れる、というのは、言葉でいうほど簡単ではないですよね。
そこで、おすすめしたいのは、自分や子供を「ほめる」事です。今、当たり前に出来ている事をほめればOK!
驚くほど簡単ですが、続けると、自分や子供の良い所、出来ている事に目が行くようになります。出来ていない事も「まぁ、いいか」と受け入れやすくなるのも、嬉しいポイント。
たとえば、子供に対しては「今日もニコニコして、いいね!」など、普段当たり前と思っていた事に目を向け、あえて言葉にしてあげましょう。
ご自分の場合は、毎日、その日できた事を3つ書く、というチャレンジはいかがでしょうか?「今日はご飯を作れた!」「今日は掃除ができた。すごい!」など、たった3行でOKです。
褒めることなんて、何もない。良い事なんて、一つもなかったと思うような1日でも、何か良いことが必ずあるものです。些細なことを褒める習慣は、自分も子供も「ちゃんと頑張っている」という自信となって、新しいことに挑戦する意欲にもつながります。
さて、「時間に遅れそう!」「頼まれた用事が終わらない!」など、子供が一緒にいる事で、物事がスムーズにいかず、イライラせずにはいられない事もあると思います。
「時間に遅れるかもしれない」「頼まれた事が出来ないかもしれない」という事を、前もって相手に知らせておくと、「〇〇しなければ!」と焦る気持ちを減らす事ができるでしょう。
このように、子供も自分も完璧にはできない事を受け入れ、周りの協力を積極的に求めていきましょう。
まとめ
いかがでしたか。この記事では、次の事をお話してきました。
・3歳児のしつけは、具体的な言葉の方が伝わりやすい。身に付くまでには数年かかるので、今は落ち着いて、繰り返し伝える事が大切。
・「わが家のルール」を作る事で、「してはいけない事」と「した方が良い事」を親子で共有できる。わが家に合ったルール作りで、数年後の生活が楽になる可能性も。
・親がイライラしないコツは、親も子供も100点を目指さない事。日々、当たり前に出来ている事をほめる事で、良い面に目を向ける癖がつき、出来ない事も受け入れられるようになる。
子供のしつけについては、周りからプレッシャーを感じる事もあると思います。「このしつけで大丈夫なのか?」と悩んでいる方は少なくありません。この記事が、子供や自分自身の良い所を見つめ、「わが家」のペースで、子育てを楽しむきっかけとなれば、幸いです。