気になる3歳児の発達段階!遅れてる?と心配な時にできること

3歳になってお子さんはどんなことができるようになりましたか?いろんな基準があるなかで「できてる」「できてない」と一喜一憂しているかも?

もちろんこれはある程度の基準だとおわかりかと思いますが、それでも不安が拭えないのはそれはお子さんが大切な存在だからでしょう。

しかし不安だ心配だという気持ちのままでは不思議とお子さんに伝染してしまい、いい結果は望めません。

実は何気ない声かけや生活を変えるだけでぐんと発達することがわかっています。今からご紹介いたしますのでぜひ取り入れてみてくださいね。

気になる!3歳児の発達段階?

3歳児健診に行くとなんとなく周りのお子さんと自分のお子さんを比べたりしていませんか?

個人差やその子本人の速度があるとわかっていてもなかなか安心できませんよね。

目安と成長を促すためにできることをお伝えします!

身長・体重はどのくらい?

男の子

身長:95.1cm~98.7cm

体重:14.1kg~15.0kg

女の子

身長:93.9cm~97.5cm

体重:13.5kg~14.6kg

厚生労働省の【平成22年度 乳幼児身体発育調査】で出された3歳児の身長体重の目安です。3歳児はいろんな味もわかってきて偏食も目立ってくる時期です。食事量、運動量などですぐに違いが出てきますし、遺伝的な要素もあるでしょう。

現に私の息子たちはどちらも小食だったのに体の成長は全然違っていました。長男はこの目安より小さく、次男はこの目安より大きい子供でした。それでもどちらも問題を指摘されたことはありませんでしたよ!

3歳児の運動面の発達は?

・片足立ちができる

・つま先立ちやその状態で歩ける

・うしろ向きに歩ける

・交互に足を出して階段を上がれる

・3輪車のペダルがこげる

・少しの高さならば飛び降りることができる

・ボール…2メートル位転がしたり、1メートル位の離れた相手に下から投げる。両手で取る。蹴る

・両足でグーパー跳び

・マットなどの上でごろごろ転がる

・音楽に合わせて、歩く・走る・止まる・ギャロップができる

・平均台などの高さのある台を一人で登る、渡る、降りる事ができる

・鉄棒に20秒間位ぶら下がる

・簡単な手遊びをお母さんと一緒にできる

・泥んこ遊びを嫌がらずにできる

 

◆運動面の発達を促すためには?◆

①外の遊具で思いっきり遊ぶ

さまざまな動きを組み合わせることで、体幹を鍛え、バランス感覚を育てることができます。

 

②はいはい競争

手のひらをしっかり床つけて移動するはいはいは運動面の以外の発達にも効果的です。また、座ったときの姿勢を保つための背筋(はいきん)もはいはいで鍛えられます。段ボールなどのトンネルくぐりがおすすめです。

 

3歳児は土踏まずが形成される時期ともいわれています。これらの成長に一番大切なのは【体幹】です。いろいろな動きをして遊ぶことで体幹を鍛えてあげましょう。

3歳児の生活面の発達は?

・規則正しい生活リズム(早寝早起き)

・大きめの前ボタンのかけ外しやスナップ止めができる

・衣服の裏返しをもどそうとする

・衣服や靴の着脱

・自分で歩こうとする

・自分で荷物を持とうとする

・自分で遊んだ物を片付ける

・オムツが取れ、自分で排尿ができる

・顔を洗う、歯磨き、うがいをする

・自分で袖をまくって手を洗う

・こぼさずに食事ができる

・お箸の自分で使おうとする

 

◆発達を促したいときは?◆

①おやすみツアー

寝たくないときはおやすみも遊びにしちゃいましょう。家のいろんな場所やおもちゃにおやすみのあいさつをしていきます。

 

②声かけ

失敗したときは「大丈夫」、成功したら「上手にできたね」、がんばってる過程を「うれしいな」ととにかく褒めてあげてくださいね。時間を長く取って見守ることが大切です。

 

要領の良いやり方を教える必要はありません。数々の失敗も含めて、自分でやって自分で感じなければならないのです。いろいろ感じとり、大人にわかってもらえたという満足感を感じられたお子さんが、将来、自分も相手も生かしながら社会で活躍できる人になりますよ。

 

3歳児の手先の発達

・閉じた四角や丸など簡単な図形を描ける

・紙を二つに折れる

・ハサミを正しく持ち、5㎝位の直線を切る事ができる

・糊を指で紙にのばして塗り、貼れる

・クレヨンを正しく持ち、縦と横の線(15㎝位)を描ける

・頭足人から体から手足が出るような絵になる

・顔(眉、目、耳、鼻、口)を理解でき、表現できる

・積み木5個くらいで作った形を真似て同じように作れる

・簡単なパズルや2ピースでできている形を構成できる

◆手先の発達を促すおすすめの遊び◆

①粘土やスライム

粘土は好きな物を作るだけでなく、大きめのビーズを隠したのを見つけてもらうのも喜びます。スライムは市販のトロトロしたのではなく、なるべく固めがおすすめです。

 

②紐とおし

穴を開けた紙にひもを通したり、大きめのビーズをひもに通したりする遊びです。ひもは少しずつ細くしていきましょう。

3歳児の言葉の発達

・名前、年齢など答えられる

・名前を呼ばれて返事ができる

・あいさつができる

・遊びの中で必要な言葉が使える(いれて、どうぞ、ありがとう、貸して、ちょうだい)

・相手の目を見て話したり聞く事ができる

・具体物を触り、言葉で表現をする(硬い、柔らかい、フカフカ、ザラザラなど)

・二語文が出るなどだいたいの日常会話ができる

・物の名前を知りたがる

・「ちょっと・たくさん」を使い分ける

・「なぜ・どうして」と聞く

・「ぼく・わたし」など一人称を使う

・「寒い」など自分の状態を表現する

・見聞きしたことを親に話す

 

◆発達につながる言葉の促し方とは?◆

①会話

いろいろな表現を織り交ぜて会話をするようにしましょう。例えばおいしいものを食べたとき「おいしいね」だけでなくそこに「モチモチして」や「ひんやりしてるね」など付け加えて話すとお子さんは会話の中で自分の気持ちを表す言葉がたくさんあることを知ります。

3歳児の脳の発達は?

・1〜5まで1つずつ数えられる

・3個が理解でき、5個くらいの中から取る事ができる

・2個差くらいの多少の判断ができる

・6個くらいの数を2人に分けることができる

・形の名前がわかる(丸、三角、四角)

・身近なものの色の名前を知っている

・動物の名前と鳴き声が一致

・野菜、果物、乗り物、身近なものの名前がわかる

・だいたいの体の名前がわかる

・比較できる(短い・長い、小さい・大きい、低い・高い、軽い・重い、細い・太いなど)

・位置がわかる(自分や他人の前後・横・上下・真ん中)

・絵本や紙芝居に興味を持ち、集中して見たり記憶できる

・生活のなかで覚えたことをごっこ遊びなどで再現できる

・簡単なルールを理解し、守ることができる(場所によって静かにする、道路では遊ばないなど)

・簡単な数字や言葉を瞬時に記憶する(2~3つくらい)

 

◆知能の発達を促したいときは?◆

①絵本

ジャンルに拘らずなんでも読んであげてください。集中力・言葉・心など多くの部分が刺激されます。

②どこにあるかな?

3個のお椀と、その中に入るくらいの大きさの物を2種類用意します。お椀の中に入れるところを見せ、どのお椀に何が入っているのかを記憶するゲームです。難易度はお子さんにあわせてくださいね。

③どこにいったかな?

ビーズなどを1つのお椀に入れ、3個のお椀を動かしても、ビーズが入っているお椀を追視できる集中力を鍛えていきましょう。

3歳児の心の発達は? 

・感情が豊か

・自我が発達

・感情が複雑になり「恥ずかしさ」 「誇らしさ」が芽生える

・先の見通しが立ち、 約束を理解し始める

・友だちに関心を持ち、隣に来ても抵抗なく遊べる

・場面に応じて行動を 調節し始める

 

◆心の発達を促すためには?◆

①絵本

絵本は日常生活では体験できない部分の気持ちを考えるきっかけになるでしょう。

 

②見守る

お子さんは、周りの大人が自分に注目してくれているかいつだって気にしています。少し心配で頑張る勇気がほしいとき、上手にできた自分を認め喜んでほしいとき、望む言葉をかけてあげましょう。お子さんも喜ぶ姿を見て「もっとやろう」と意欲がでてきます。

 

この見守りを繰り返すことで「自分の気持ちを受け止めてくれる」「感じたことを表現していい」という、心の土台になる基本的信頼感が育つのです。もし、人に迷惑なことやいけないことをしたときは、そのつど説明すれば少しずつ理解できます。人とのかかわりの中で必要になる我慢や許容といった社会性を、だんだんと身につけていくのです。

 

③好奇心を育てる

「なんで? どうして?」の質問が増えますが、「また?」なんてウンザリせずにひとつずつ丁寧に答えてあげましょう。わからない場合は一緒に調べてあげると、お子さんと絆が深まったり、忘れがたい思い出になるかもしれませんね。

 

④「イヤ」という気持ちを否定しないで

おもちゃの貸し借りでよくみられる「イヤ」無理やり「いいよ、でしょ?」と気持ちを押しつけていませんか?楽しく遊んでいたのに大好きなお父さんお母さんに言われるとお子さんは混乱してしまいます。「もう少し待ってね」など、お子さんの気持ちも尊重する言葉を選んであげてくださいね。

3歳になったらわかる?発達障害?

社会で生きていくのに困ったときに初めて【発達障害】とよばれます。「人と同じようにできる」ことは大切だと思っていませんか?

だいたい3歳になるまでは医師でも判断が難しいといわれるので不安で仕方ないお父さんお母さんは早く3歳になってほしい…と思ってるかもしれませんね。しかしわかるといってもはっきりとその特徴にあてはまった子だけでほとんどの子はグレーのままです。

なぜ、発達の早さに差があるのかはまだわかっていません。しかし発達が遅い=障害とは言い切れません。お子さんの個性という可能性もじゅうぶん考えられます。

私の長男は、リハビリ、療育、支援学級、通級など、いろいろな方面で助けていただきながら生活しています。できないことをできるようにするよりも得意な部分でカバーすることのほうが今は多いです。これからの過程でできるようになるかもしれませんが、現段階では自分のことを理解しながら工夫していくほうが子供もあっているようです。

マニュアルどおりに一直線に発達するのは不可能ですよね。好きだったのに嫌いになる、やらなかったのに1年後に急にやりだすなど、発達にはそれぞれのペースがあります。その時に【発達障害】だと嘆くのか、それとも得意な面でカバーする方法を模索するか、今は時期ではないとじっと機会をうかがうか。

目標は成人したときにお子さんがどんな大人になっているかです。1年長くオムツを使っていたって、言葉への興味が周りより遅くたって、お箸がなかなか握れなくたって20年後のお子さんが困ることはありません。それよりもそのことに一喜一憂していると【本来の良さ】を見逃すのは勿体ないことです。

今はたくさん喜びたくさん褒めてあげましょう。

まとめ

以上のことから3歳児の発達の早い遅いはお子さんの個性だとわかっていただけたかと思います。

「じゃあ健診の発達段階のチェックの意味は?」

「不安になるだけだからいきたくない」

と思われる方も多いかもしれません。しかし健診はとてもいろいろな役割を持っています。お子さんの不調(弱視や難聴、心疾患など)を早く見つけたり、発達の面でも不安になりすぎている親をサポートしたり、早めに対応してあげたほうがいいお子さんを見つけだすことも。

その言葉で不安になったり傷つくことがあるかもしれません。そういう状況であればあるほど、【お子さん本来の良さ】を忘れずにいっぱい喜んでいっぱい褒めてあげてくださいね。