子供にヒステリックに怒ってしまう…衝動を抑えるためにできることは?

あぁ、今日も怒鳴ってしまった…。お昼寝中のわが子の涙の跡を見ながら、または一日を振り返った時に子供の寝顔を見ながら後悔したりしませんか?

まだ子供がいないころ、外で怒鳴っている親を見て、自分ならあんな言い方しないのにと思っていたはずが…と今の自分の姿に戸惑いを感じている方は少なくないようです。どうして子供に怒鳴ってしまうのでしょうか?実はそうなる理由がありました!

ヒステリックに怒られながら育った子供は自己肯定感が低くなったり、脳が萎縮してしまい発達障害や、怒られないためにうそをつくようになることが分かっています。なってほしくないものばかりですね!

今回はヒステリックに怒らざるを得ないお父さんお母さんの心の内側や理由、穏やかに過ごすための対策について考えていきたいと思います。

なぜ子供にヒステリックに怒鳴ってしまうの?

親のヒステリックな姿というと母親の怒り顔が浮かぶんですが、いかがですか?

しかし、育児に密に関わっている親ならば男女問わず誰でもヒステリックになることがわかっています。母親がメインで育児を担当しているという背景もヒステリックなイメージを持たれやすい原因なのでしょう。

性別関係なく育児に関わるとヒステリックになってしまう5つの理由がありました。

1、生活が変わったから

元々他人と新たな生活を始めるとなるとお互いの“普通”が噛み合わずストレスを感じることがありますが、大人は譲り合い妥協しながら少しずつ2人の生活スタイルを形作ることが出来ますよね。しかし赤ちゃんとはその擦り合わせが全くできません。それまで培ってきた普通とか常識なんて赤ちゃんが一声泣き叫んだら吹き飛んで終了~です。

さらに育児が始まると養育者は思いもよらない制限が生じます。友人と気軽にショッピングにいったり、旅行に行くなんて夢のまた夢。普通に美容室に行くことだってままなりません。結婚してからなんとか確保していたはずの自由が完全になくなってしまうのです。

今までの当たり前のことが急に出来なくなると追い詰められることを、私は育児が始まってから知りました。特に慣れるまで自分のことは二の次。例え本人が意識していなくても、生活環境の変化がストレスとなり少しづつ、確実に積もり積もっていくのです。

2、期待し過ぎているから

この期待には大きく2つあります。1つはわが子に対する期待。もう1つはパートナーに対する期待です。

まず1つ目の子供の期待ですが、言葉が話せるようになったころから期待が高まりがちです。赤ちゃんは手をかけるのが当たり前ですが、意思疎通が出来るようになると次の段階に進んだように感じてしまいます。しかし、赤ちゃんは言葉が理解できても、我慢の部分が発達途中のため自分を抑えることが難しいのです。

だから優しく「これは危ないからやめようね」といったところで「わかった、やめるね」なんてほとんどなりません。私のイメージも少し入ってますが「え、危ないの?痛いの?しちゃダメなんだね。わかってる。でもさ、ちょっとだけ」と挑戦してしまうのでしょう。その姿にこたらも我慢が難しくなっちゃうんですよね。

もう一つの配偶者に対する期待ですが、育児をメインで行っている親は、いつも長く一緒にいるため子供が何を言いたいのかだいたい理解できていますし、いろんな場面で先回りして準備できます。自分と同じレベルをパートナーに求めたり、それができなくても自分の気持ちに共感してもらうことを望みます。

簡単に言いますと自分の願い通りの姿でなかった時、孤独感からヒステリックという形で表れます。仕事に行く姿やゆっくり寝ている姿、一人で簡単に出歩けたり、扉を閉めてトイレができる様子などなど…そんなささいな自分との違いが羨ましくなるのです。

このように子供の成長に期待しすぎていたり自分と配偶者の違いが羨ましくなってしまった時、ヒステリックという形で表れることに。しかもうまく伝えられないまま悶々と過ごしていると子供を叱るタイミングで爆発してしまいます。

3、思い通りにいかないから

人生において思い通りにならないことなどよくありますよね。みなさんそれなりの理不尽さや、やるせなさは体験してらっしゃると思いますが育児の「思い通りにならない」は桁違いです。

育児においてそれぞれの“大変”があると思いますが、私が特に大変だったのはとにかく寝ないこと。ずーーーーっと一緒にいる場合、親の自由時間は子供が寝た後だけです。しかし長男は眠るのが苦手な子でした。

毎日ネットで見つけた寝かしつけ法を手当たり次第試してもなかなか成果は出ず、22時に寝てくれたら上出来。たとえ寝てくれても1~2時間間隔で目が覚めていましたし、朝も6時には起床していたので当時は寝不足なんじゃないかと心配で心配で仕方なかったです。そんな毎日を送っていると朝起きてまず考えるのは寝かしつけのこと。

赤ちゃんのころは体力のない子でしたからまとまって眠ることが出来なかったんだな、と元気になった姿と比較してようやく気付きましたが、その頃は本当に憂うつで憂うつで…。

育児書の“まとまって眠るようになる”という言葉を信じて行動しても思い通りにならず、寝かしつけも出来ないなんて本当に母親なのかと自分を責める日々は自分の思い描いていた姿との違いが悲しくてヒステリックに当たり散らしたことが何度もありました。

4、寝不足だから

子供が産まれてから眠れていますか?お母さんだと妊娠したときからほとんど眠れていない方って多いですよね。

小さなうちは授乳やトイレトレーニングで夜中に起きないといけません。だからしょうがないと理解しています。が、その時期が終わってもぐっすり眠れるようにはなりませんでした。

大きくなっても子供は目が覚めると親を起こします。話し相手がほしいから、怖い夢を見たから、トイレに一人で行けないから、と。時にはストレスから寝言?で大泣きしたり、寝相が悪すぎで起こされたり、咳やいびきが心配でねむれないというケースもありますね。

自分のタイミングではなく無理やり起こされた次の日はとてもつらいものがあります。寝不足の次の日は怒鳴りたい衝動を抑えるのが大変なのです。

5、余裕がないから

このように大きく変わった日常生活、コントロールしきれない子供、分かり合えないパートナー、簡単にはストレス解消できない環境など。のしかかった育児という重圧で余裕が全くないその苦しみがヒステリックという形で現れます。

育児が大変と言っているといやいや仕事の方が大変だよと言う、育児 VS仕事の戦いが始まることがあります。それぞれにそれぞれの大変さがあるものだと思いますが、自分のほうがどれだけつらいか…!そう思っているうちはヒステリックからはなかなか解放されないかもしれません。

ヒステリックに怒鳴られ続けた子供はどんな影響が現れる?

冒頭でふれましたように怒鳴られ続けるといろいろよくない影響をうけることが分かっています。

・子供の脳にダメージを与え、精神的成長が損なわれる

・その場しのぎのうそをつくようになる

・攻撃的になったり、むきになりやすい

・性格や気分の変動が激しくなるなど感情が安定しにくくなる

・集中力が低くなる

ヒステリックに怒鳴りつけても子供に気持ちは伝わりません。これはいくつかの研究で証明されていることです。また、怒鳴ったり、言葉の虐待、子供を辱めるなどの行動が重なると、脳構造に永久的なダメージを与えることが確認されています。

ヒステリックに叫ぶという行為は気持ちを伝えるためではなく心に留めておけなくなったイライラを発散させるためのもの。よく怒鳴られていた子供たちは成長したときに問題行動やうつ病など多く表れることもわかっています。それに言えば言うほど話しを聞いてもらえなくなり、状況はどんどん悪化してしまうでしょう。

子供にヒステリックに怒鳴らないためには?

怒鳴らない事が大切だといろいろな育児の講演でも雑誌でもテレビでも言われているからだいたいの方は既にご存知だったと思います。私も「わかってるけどそんな無理だよ~」とただの理想論として聞き流していたことがありました。要は辞めたいと本気になっていなかったんですよね。

そんな気持ちでは怒鳴ることをやめようと試してもなかなか上手くいかず、さらに爆発…という繰り返しでした。ただただ子供を混乱させるだけで終わりました。実は怒鳴らないことを心掛けるのではなく自分の行動や考え方を見つめ直すことが大切だったのです!

怒鳴る状況を分析する

まずはどんな状況でイライラが蓄積されていくのか自分を見つめることから始めましょう。私の場合は3つありました。

・何かをお願いしても子供の反応がすぐ返ってこないとき

・朝の時間が無いとき

・時間に追われながら私が家事や準備をしているのに夫がのんびりしているとき

私は時間に余裕がない時にイライラしやすいとわかったので、全て行動の時間を30分ほど多く設定するようにしました。これだけで自分がだいぶ変わったのがわかりました。

心を穏やかにすることを心掛ける

イライラし始めたら6秒数えたらいい。と聞いたので試しましたが、これも最初は上手くいきませんでした。抑えなきゃ抑えなきゃと頑張った6秒後に爆発したり…。

原因は6秒数えた“だけ”だからです。ただ数えるだけだとイライラが抑圧されただけなのでさらなる爆発をうみます!噴火直前の火山と同じでため込めばため込むほど大爆発してしまうのです。

しっかり6秒の間にリラックスすること。そして状況をコントロールすることを意識してください。始めは難しくて失敗することもあるでしょうが、心に留めておくだけで全然違いますよ。

期待はほどほどに

環境やパートナー、子供だけでなく自分自身に対しても期待しすぎないようにしましょう。あなたの期待に応えられなかったからといって相手を責めるのもよくありません。大切なのは、家族が幸せに、そして子供が健康に成長することです。

自分の気持ちを素直に伝える

これまで説明したとおりヒステリックは自分の中にため込んだ不満を外に出して心を軽くする作業です。自分の気持ちが伝わっていればここまでイライラが蓄積されることはありません。聞き入れてもらえる方法を模索しましょう!

それでも子供にヒステリックに怒ってしまったら?

最初は優しくしていても次第にヒートアップ…。それは決して珍しくはありません。大事なのはそのあとのフォローです。

順番を間違えると子供には大きな傷が残りかねませんし、自分の気持ちが1ミリも伝わらなくて同じ事を繰り返してしまう恐れがあります。やってしまったと感じたときはぜひこの順番に話してみてくださいね。

1、謝る

まずは大きな声で怒ったことを謝りましょう。どんな理由があっても怒鳴るのは悪いことです。子供は悪いことをすると親でも謝らないといけないと学び、そして【許す】ことを覚えます。

2、大好きだと伝える

大きな声で怒られた子供は怒られた理由、内容よりも親から嫌われたんじゃないか。もういらない子なんじゃないか。そんな不安を感じています。その不安を取り除かないかぎり、こちらの伝えたいことは伝わりません。こんなに怒ったけれどあなたのことは愛していると言葉でしっかり伝えてあげてください。

3、理由を伝える

ここでようやくこちらの主張ができます。しかし、「~~の理由で怒ったのよ」なんて言ってはいけません。そう言われてしまうと子供は自分が人をイライラさせたり怒らせてしまうのだと自信を失いかねません。

ヒステリックに怒鳴るのはこちら側の事情です。素直に「疲れていたの」「眠たかったの」「聞いてくれなくって悲しくなったの」と伝え、そしてどうしてくれたら嬉しかったのか話しましょう。

毎日毎日頑張っているんですからずっと穏やかになんて無理な話です。ヒステリックになってしまったことを後悔するよりもその後のフォローへ気持ちを切り替えてください。そしてちょっと心が穏やかな時や余裕がある時に「大好きだよ」と伝えたり、抱きしめるなどのスキンシップの時間を作ってくださいね。

一度言ったことは取り消せませんが、普段から怒鳴っている人に比べて、どうしても我慢できなかった時だけ怒鳴ってしまった場合の子供のダメージの受け方は全く違ってきます。普段から頑張って穏やかに接することには大変重要な意味があるのです。

まとめ

お恥ずかしい話ですが、私も瞬間湯沸かし器のようにカーッとなって爆発することがあります。それに対し夫はなぜ怒らないの?と思うくらい穏やかな人でした。いつも比較しては我慢出来ない私は親になりきれていないんだなと思っていたのですが、実はそうではありませんでした。

最近、私が休日も仕事に行くようになり、土日は夫が子供の面倒を見るようになったのですが、怒る怒る…ヒステリックもよくあります。そしてそれは私が帰ってきてからよく見る気がします。我慢して我慢して我慢して…私が帰ってきた後に爆発…昔の自分を見ているようでした。

その様子からもヒステリックは女性特有なのではなく、そうなりやすい環境に置かれた結果なんだな、と強く感じました。

子供が幼稚園に入り、私にもママ友ができ、パーッと世界が広がりました。しかも今年は仕事を通じて世界がさらに広がり、子供たちにどんどん優しくなっていくのを感じています。どうやら私は忙しいくらいが優しくなれるようです。

これまでの育児、振り返ると後悔ばかりですが、これもお母さん一人一人の個性だと受け止め、これからの子供の成長を大切にする事にしました。皆さんも自分を追い詰めてしまわないよう何を望んでいるのか、自分にも問いかけてみてくださいね。