よく風邪をひくのが子供!その風邪、原因は一体なに?

「うちの子は、よく風邪をひく」と、感じていませんか?

大抵は、ため息をつきながら「しょうがないね」と思うのでしょうが、中には本気で【悪い病気】を心配している親御さんがおられるかもしれませんね。

ですが、しょっちゅう風邪をひくこと自体を不安に感じる必要はないのです。

繰り返す我が子の風邪を心配し過ぎるあまりに、過剰な潔癖などになってしまうと、却って子供の身体を丈夫にする機会を失ってしまうかもしれません。

よく風邪をひく子をお持ちの親御さんの不安を軽くする為に、子供の風邪の原因を見ていきましょう!

なぜ、子供はよく風邪をひくの?原因は?

《子供は風の子》というように、いつでも元気なのが子供と思いきや、案外と頻繁に風邪をひいてしまう子供たち。

毎月のように風邪をひいている、という子もいて、パパやママは「また?」とイライラの繰り返しかもしれませんね。また「我が子の風邪には、何か重大な原因があるのでは?」と心配されてもいるでしょうか?

ですが、子供が風邪をひくのは、普通のことです。

まずは、なぜ繰り返し風邪をひいてしまうのかという部分から見ていきながら、子供の風邪の原因を知れば、苛立ちや不安から解放されるかも!

子供が風邪をひくメカニズムがある?

『風邪』とひと口に言っても、その原因となるウイルスの種類は200種を超え、どのウイルスが身体に入ってしまったのかを特定するのは難しいようです。

そもそも風邪とは、鼻や喉に起こる急性の炎症の総称。

風邪ウイルスが体内に侵入して、鼻水・鼻づまり・発熱・咳といった症状を引き起こします。

生後半年くらいまでの赤ちゃんの内は、お母さんの胎盤と初乳からの免疫があるので守られています。

しかし、その免疫も1歳ごろには切れてしまい、基本的には身体に入ったウイルスを自分でやっつけるしかありません。その働きが、風邪の症状として現れているのです。

ひとつの風邪で子供はそのウイルスに対する《抗体》を作ります。次に同じウイルスや似たウイルスが身体に入って来た時、前の時に作られた抗体が働いてウイルスをやっつけてくれるのです。

たくさん種類がある風邪のウイルスは、季節ごとに様々。子供は、それらに触れることで抗体を作り、風邪をひきにくい身体になっていきます。

子供は、風邪を繰り返しながら強くなっていくのです。

風邪をひきやすくさせているアレやコレって!?

我が子に風邪をひかせたくないのは、世の中の親御さんたちに共通する思いでしょう。

しかし、良かれと思ってやっていることや、あまり意識していなかったことが、実は風邪をひきやすくしている原因だとしたら……!?

日々の中で、少し気をつけることで、子供の風邪を予防できることが期待できるでしょう。

まず、気をつけたいのは《必要以上に厚着をさせない》ことです。

子供は、大人よりも体温が高く、活発に動き回ります。

「今日は寒いな」と、大人の感覚で厚着をさせると、子供は汗をかきやすくなり、結果、身体を冷やし、風邪をひきやすくなってしまうことに。

子供には、あまり厚着をさせず、脱ぎ着が簡単な上着で調節できるようにすると良いでしょう。

そして、室内では乾燥にも気をつけたいものです。

ウイルスは、乾燥していると増殖しやすくなると知られています。加湿器を利用することで、湿度を50%前後に保つように心がけましょう。

加湿器がない場合には、濡れタオルを干すことでも、効果が期待できます。

また、水分補給をこまめに行うことも、風邪予防に効果的です。

喉が乾燥していると咳が出やすくなり、炎症が起きやすくなります。そこにウイルスが付着して、風邪に繋がっていきます。

屋外に出る時にも、水筒に麦茶など入れて、いつでも喉を潤せるようにしましょう。

子供の風邪の予防には、温度と湿度が重要です。

調節が出来る着衣と、乾燥を避けた環境を心がけることで、ひどい風邪を避けることができるでしょう。

もちろん、皆さんがご存知の通り、手洗いやうがいも忘れてはいけない風邪予防です。

注意が必要な子供の風邪とは?

「子供は風邪をひくものだし、風邪を繰り返しながら丈夫になっていくとはいえ、全部の風邪が心配ないわけではないでしょう?」そう思われる方が大半だと思います。

その通りです。風邪の症状と思うものの中には、放置してはいけないものがあります。

感染したら重症化してしまう病気には、充分な注意が必要です。

《様子を見て大丈夫な風邪》と《注意が必要な風邪》を見極められれば、「普段と違う」とすぐに気づき、早めの受診に繋がるはず。

《注意が必要な風邪》の代表的な例を3つ見ていきましょう!

インフルエンザ

インフルエンザは、毎年どこかで流行をするウイルスが原因の病気。

特に、集団生活が始まると心配になってしまう風邪の代表格ですね。悪いことに、インフルエンザは、「1度かかればもうかからない」というものではありません。

我が家の子も、小学校を出るまでに4回はかかりました。

幼稚園や学校で流行ると、必ずかかるという有様で、「予防接種しているのにナゼ!?」と頭を抱えたものです。

我が家のように、予防接種を受けているのにインフルエンザにかかってしまったという経験のあるご家庭は多いのではないでしょうか?

「型が違えば、効果がないのではないの?」とか「かかっても、すぐに効く薬があるし……」と思って、予防接種をしない親御さんもおられるかもしれませんね。

しかし、医師の多くは「インフルエンザワクチンは接種すべき」と言います。

インフルエンザで怖いのは、細菌の二次感染による肺炎という合併症だそうです。予防接種を受けることで、このリスクを低くすることができるといいます。

また、インフルエンザにかかることを防ぐのは勿論、重症化の可能性も低くしてくれるそうです。

1年で、複数回かかってしまったという話もあるインフルエンザ。

高熱が出て苦しい上に、体調が戻っても「発熱後5日、解熱後2日を経過」しなくては、園や学校に戻る事ができないやっかいな風邪です。

普段の手洗いうがいに加え、『予防接種を受けること』を、1年間のイベントに加えてみてはいかがでしょうか?

接種後2週間頃から5か月ほど効果が期待できるそうです。13歳未満のお子さんは、2回接種が必要ですので、よく確認をしてスケジュールを立てることをお勧めします。

予防接種を受けたか受けないかに関わらず、38度以上の発熱、頭痛、筋肉痛、鼻水・喉の痛み・咳などの症状が見えたら、受診しましょう。

溶連菌感染症

こちらもまた、よく子供がかかる病気の一種で、こちらはウイルスではなく細菌が原因です。

喉が痛い、熱があるとなると、まず「溶連菌……?」と疑うパパやママも多いと思います。

インフルエンザが冬場に多いのに対し、これは、寒い時期だけでなく1年中発生しがちです。

喉の症状や発熱の他に、体や手足に発疹が出たり、舌に赤いブツブツができる「いちご舌」という症状が出たりすることもあります。

また、しばしば嘔吐も伴うので、我が家でも、何度かこの溶連菌感染症で大変な目に遭いました。

溶連菌感染症は、園や学校で感染した子が自宅で他の家族にうつしてしまう事も多く、更に、繰り返しかかってしまうこともあります。

溶連菌は、これまでお話した風邪症状の他にも、中耳炎・副鼻腔炎といった病気も引き起こす細菌といわれます。また肺炎も起こす場合もあるとされているので、注意が必要な風邪ですね。

溶連菌感染症の予防は、飛沫感染を防ぐためのマスク、細かな手洗いとうがいが有効とされています。帰宅時、食事の前には、徹底するように習慣づけすると良いでしょう。この習慣は、他の風邪にも有効です。

もし、罹患してしまった場合には、病院で処方された抗菌薬を最後まで飲み切るようにします。2~3日で、良くなったと見えるようになりますが、しっかりと治療しないと、体に残った溶連菌が増殖し、他の人に感染させたりすることがあるのです。

お子さんがかかった場合、一般的に薬の服用を始めて24~48時間程度経てば、感染力がなくなるとされているので、2~3日間お休みすれば、登園・登校が可能といわれています。ドクターに指示を仰ぎましょう。

RSウイルス感染症

RSウイルス感染症は、ウイルスが原因の呼吸器の感染症です。

2歳までの子供は、ほぼ100%初感染するといいます。そして、繰り返し何度でも感染する病気です。

発熱や鼻水、咳などが数日間続きます。

「ゼーゼー」と喘鳴をともなった呼吸症状がある場合、気管支炎や肺炎へと移行していく可能性があるので、注意が必要です。

非常に感染力が強いので、多くのお子さんが幼稚園や保育園、学校でうつってしまったという経験があるのではないでしょうか?

有効なワクチンや特効薬がないというのが、このRSウイルス感染症。

予防法は、これまでの話に出てきたとおりの、マスクと手洗いうがいです。

乳幼児では、重症化しやすいという特徴があるため、小さなお子さんがいる家庭では、まず大人がこの風邪にかからないよう、注意をすることが大事ですね。

RSウイルス感染症は、出席停止期間が設けられている病気ではありません。

また、罹患した子供本人は比較的元気に見える事も多く、軽い風邪と思って登園・登校させてしまうという事が少なくありません。

登園・登校に関しては、ドクターの指示通りにするようにしましょう。

まとめ

子供が園や学校で熱を出した、喉が痛いと言っている、具合が悪く給食を食べられない等々で、「お迎えお願いします」と呼び出されるたびに、パパやママは「また~?」とうんざりしてしまうこともあるかもしれません。

一方で、症状が重いと、とても心配にもなるでしょう。

パパやママは、我が子がある程度大きくなるまで、子供の風邪に振り回されがちです。

時には、ツラい風邪の症状で入院などという事態に陥って、家族みんなでてんやわんやということもあるかもしれません。

心配しなくてはならない症状の風邪もあるのですが、大抵はすぐに直ってしまう軽い風邪で終わることがほとんど。

そして、小さい時から外の世界にあふれるウイルスに触れて、自分の体で闘って免疫を獲得しながら強くなっていくのが子供です。

今、「うちの子は、よく風邪をひく」と感じていても、時が来れば、「今年は、大きな風邪をひかなかった」という年が来るでしょう。

あまり神経質にならず、手洗いとうがい、人が集まるところに出かける時はマスクを着けるという習慣を身につけさせることが、重症化する風邪の原因から守る方法と言えるでしょう。