「叱っているんだけど、同じことを繰り返す」
「伝わっていないことを感じると、なんだか無力感に苛まれる」
反抗期というわけではないけれど、子どもに何を言っても響いていない……言葉に言い表しにくいですが、暖簾に腕押しのような状況に、子どもよりも親の方が不安やモヤモヤを抱えているなんてケース、実はそんなに珍しくありません!
どんな時でも、子どもがないかしでかせば叱るのが親の義務。
大切なのは伝え方です。叱ることは伝達手段に過ぎません。
落ち着くこと、感情を荒げないことが大切です。
自分をうまくコントロールできずに、怒ってしまったりすると、それは子どもとの信頼関係に響きます。
叱責しないことは育児放棄ですが、怒り散らすことは虐待になりうるかも。
私たちは「誰かに見られている」意識が潜在的にあるため、うまくいかないことがあると誰かからの評価が気になります。例え誰もいなくても、自分の「ウチ」にいてしまうものです。
「見られる」ことは緊張するかもしれませんが、意識することがはじめの一歩です☆
小学生だってお年頃。子どもに叱るときに心がけること。
人付き合いをするとき、誰かに指摘したり、されたり。
もちろんお叱りをいただいたこともあると思います。
きっと恥ずかしかったり、反感を抱いたり……それは赤の他人だけではなく、もちろん親子の仲でも起こりうることです。
つまり、『親しき仲にも礼儀あり』を心がけて、子どもと向き合いましょう。
赤の他人に気にすることを、「親子だから」と蔑ろにしては、多感な子どもには反感を抱かせてしまうかもしれません。
怒りに口を乗っ取られないように!
子どもがしでかしてまったことに対して、叱らなくてはいけない!というとき、気をつけていることはありますか?
もし何も考えずに、すぐさま叱責を飛ばしてしまうと、子どもに対してはあまり良くないと言えるでしょう。
怒ることと叱責することは異なります。
怒ることは悪いことではないですが、昂りを収めずに子どもにそのエネルギーを当て付けることはやめましょう。
叱るときは、他の行動と同じように冷静になり、プランを立てる必要があるということです。
我が家では、お説教するときのルールとして、場所と人を限定しています。
密室で、お説教する人と、子どもだけにすると、少なくもと子どもの自尊心を守ることができます。
誰かに叱責される場所を見られるって、とても恥ずかしいですよね。弱みを見せた感じがしますし、涙と鼻水塗れの泣きべそかいた顔を見られることは叱られていることを除いてもダメージが大きいのです。
一度弟の前で姉を叱ったことがありましたが、姉はしばらく弟と会話しなくなりました。姉としての見栄なのか。
弟も泣いている姉に対して、おどおどしていたり……。
家族からだけではなく、近所や友達、先生の前でも直接お説教するのはやめましょう。
第三者から話を聞かないといけない、というときはお説教の前に済ませること!
誰かに話を聞きながらお説教しても、子ども自身の話を聞くことはできません。
初めにも述べましたが、叱責することは、あくまであなたの意見を伝達し、子どもに行動を見直させ改善させるための手段に過ぎません。
もし叱ることを、大人が一方的に子供を責め立てるイメージを持っているならば、いますぐ破棄しましょう。
怒りに身を任せ、計画なく叱責しようとしてもなかなかうまくいきませんし、子どもの意見もきちんと拾えません。
子どもと第三者の意見が食い違うことがあるならば、そこは潔く中断して、事実確認を行いましょう。
不条理に叱られることは不信感を芽生えさせます。
叱られる時は、信頼されていない人にされても響きません。
間違いがあれば子ども大人関係なく謝罪は必須!!
あなたの言動を、子どもはあなたが想像するよりもはるかに鋭くよく見ています。ですから、誰よりも真摯に子どもに向き合ってあげましょう。
小学生だって道理は知っている。子どもを叱るとき、愛の鞭だけでは不十分
「冷静に、そして子どもの意見をきちんと聞く」
「子どもを傷つけないように叱る……」
これらのことって、意外と普段から意識しているんですよね。でもそれでもうまくいかない!と悩んでおられるならば、どうぞ最後まで読んでくださいね。
上記のことを意識していても、うまく叱れないのはおかしなことではありません。
紙とペンを用意してもすぐに絵は描けません。何を描くか計画する必要がありますよね?
叱る時も同じです。
何を叱り、何を伝えたいか。何がダメで、どこに対して改善を求めるか。
頭の中で計画を立てても、机上の空論です。
人と向き合う時、まして子どもと向き合うことに妥協はしてはいけません。
書き出して、丁寧に計画を練りましょう☆
PDCAサイクルを意識して
INLINE_DRAWING: InlineDrawing
最近はわりとどこでも聞くようになったPDCAサイクル。
PLAN(計画)→DO(行動)→CHECK(評価)→ACTIOM(改善)ですね。
これはもちろん叱るときにだって応用可能☆
PLANでするべきことは、
- 何に対してどうして叱るのか
- 叱るときの言葉や伝え方は適切か
- 事実確認など
DOは実際にお説教タイムですが、
- 子どもの自尊心を傷つけない
- カッとなって暴力を振るわない
- 間違えたら謝罪をする
などでしょう。PTOを気にすることもお忘れなく。
CHECKはこの場合、子どもの意見をきちんと聞くことでしょうか。
自分が言ったことをきちんと理解できているかです。
大人になると文脈を読み、「言わなくてもわかる」ということがたくさんありますが、子どもは案外わからなかったりします。
「成長することは、喪失すること」といいますが、子どものときに「できなかった」という気持ちを、私たちはもう理解してあげることはできません。
あくまで寄り添うだけ。
ですから、あなたのお説教がきちんと理解してもらえたか、お説教しっぱなしにならないように子どもに確認を取りましょう。
これは私の反省すべき、忘れてはいけない過去ですが、子どもが小学生の時、「〜〜〜ってことがあったんだって!知ってる!?」と人伝に聞いたことがあります。
誰かから聞くということも、私のプレッシャーになったのかもしれません。監督不届き!という言葉が頭の中で駆け巡っていました。
すぐに子どもを捕まえて、「なんてことを!」と発狂したことがあったのですが、失敗しましたね、見事に……。
「なんでこんなことをしたの!」って質問じゃなくて詰問なんですよね。
こう言えばやってしまったことを怒っているのは、子どもも理解していますが、子どもはその何が悪いかわからないんですよね。
やったことは事実だけど、それのどれになぜ怒られているか理解できず。
子どもが泣き始めてハッとしましたね。この子は私の怒りに怯えているけど、内容はちゃんと理解できていないな、と。
冷静になることも、伝え方を考えることも時間がかかることです。
子どもがACTIONを考えることも同様に。
叱責タイムは十分に確保して、お互いに禍根を残さぬよう向き合いましょう。
最後のACTIONは叱責を理解した上で、次はどうするかという子どもの改善案です。これも子どもに丸投げせずに、きちんとしましょう。
目標だけ立てるのは簡単ですが、その目標を達成するために細いステップを一緒に考えてあげるといいですね。
叱責することはエネルギーを使いますし、非日常的かも思われるかもしれませんが、このように「叱責する方法」を自分で一つ持っておくと、少し自信を持って子どもと向き合えるかもしれません。
叱ったあとは、理解してくれたことに感謝を
子どもは突拍子のないことをしでかしますが、何らかの理由があって行います。
子どもルールですね。
それは大人と不可侵協定を結んでいるかのよう。
それでも、「いけないこと」は理解してくれたのならば、きちんと感謝を示しましょう。
「あなたのために言っている」という言葉は、ちょっと恩着せがましいように聞こえてしまうかも。
「いけないことをしてしまった自分」に対して、子どもはもっと動揺し、不安になっています。
だから、反省してくれてありがとう。言葉を聞いてくれてありがとう。心を改めてくれてありがとう。
そう伝えて、抱きしめて、子どもの不安を和らげてあげてください。
子どもが改善案まで出してくれたならば、それについても見守ってあげましょう。
過去は反省するために必要ですが、成長するには今を見てあげる必要があります。
もう怒っていない、今のあなたの信じている、そういうメッセージをしっかり伝えてあげて、お説教タイムは幕を引きたいですね。
我が家では、叱り終えた後2度それが行われます。
鞭の後の飴、飴です。
と言っても、パートナーがわりと厳しく叱るタイプだったので……。
叱った後、なかなか切り替えられず、私にバトンタッチされたり、逆も然り。
すぐに切り替えができないのは、大人も子どもも同じようです。
もしかしたら改善案を提出できるのは、この過程を挟んだ後かもしれません。
お説教を一度きりと捉えず、逃げ場と考える時間を与えて、子どもを1人の人間として扱い、向き合ってあげましょう。
まとめ
本稿のまとめはこちらです↓
- 叱ることは子どもとあなたの意思疎通手段
- 子どもの自尊心を大切に
- 叱る上で、落ち着くことはあなたの義務!
- PDCAを意識する
- 子どもが落ち着ける時間、考える時間を確保する
- 安心させ、理解してくれたことに感謝を伝える
私たちはいつも理性と本能の間で、不安定な天秤の上で生きています。
子どもはその揺れはもっと大きいのでしょう。
子どもと向き合うと、その揺れに引きずられてしまうこともあるかもしれません。
自分をコントロールすることは誰でも難しいけれど、天秤を扱いなれていない子どもの見本になれるよう、頑張りたいですね。
最後まで読んでくださってありがとうございました!