小学生の不登校は昔に比べてますます増えています。私が子供の頃は不登校の生徒は周りにほとんどいなかったと記憶しています。
文部科学省が行った平成29年度の調査によると小学生の不登校は5年連続で増えており、不登校者の数は全国の小学校で約3万5千人にのぼります。
一体どういったことが原因で小学生の子供は不登校になってしまうのでしょうか。その原因は一つではなく複数あり、様々な要因が複雑に関わり合うことで結果として「不登校」に繋がります。
一度不登校になってしまうと学校への復帰がしにくくなってしまい、小学生といった多感な時期を友達と過ごすことなく、社会と関わりなく過ごす事となってしまいます。人生は一度切りです、この小学校時代という大切な時期にしか体験出来ないことがたくさんあります。
子供が学校に行かなくなるには必ず原因があります、不登校の原因を見極めて子供の不安を取り除き学校に復帰させてあげることが望ましいです。
この記事では小学生の不登校の主な原因と、不登校に対して親は何をしてあげられるのかを解説していきます。
小学生の不登校の原因
小学生の不登校の原因は一つではなく複数あります。それぞれの家庭環境により大きく異なるので ひとつずつ詳しく解説していきます。
家庭環境
家庭環境で子供に影響を与えているのは「急激な変化」や「家庭内の不和」です。
急激な変化で具体的なものは両親の離婚です。子供というのは親が考えている以上に「両親の離婚」に大きなショックを受けます。
私は今となっては夫婦の関係で「離婚」という選択肢をとる事に対して理解をすることが出来ますが、子供のころにはそれが到底理解し得ないものでした。
父がいて、母がいることが当たり前な生活を送っていたので「離婚」という選択肢を選んでしまうことは、とても不幸なことで悲しいことで、現実では絶対に起こってほしくない出来事と捉えておりました。
ですのでそれくらい「両親の離婚」は子供にとって大きな影響を与えてしまうものであり、それをきっかけに、現実逃避を行い不登校になってしまうことはよくあるのです。
家庭内の不和は皆さんイメージがしやすいのではないでしょうか。
子供ころに両親が喧嘩している場面に遭遇したことはありませんか? 誰でも一度はそういった経験があるかと思います。
両親の喧嘩が家庭内で頻繁に起こっていたらどうだったでしょうか。毎日とても暗い気持ちで、何でこんなに喧嘩ばかりするのだろう・・・。と子供の精神に大きな影響を与えることは皆さんの経験やイメージでわかるかと思います。
子供にとって家庭とは安心で安全な居場所でなければなりません。その家庭が辛く苦しい
場所であれば子供の心は疲弊して学校へ通う気力さえもなくなってしまいます。
友達関係
次の不登校の原因は友達関係です。学校において友達同士のコミュニケーションで話の輪に加われずに、疎外感を感じてしまう。学校生活を送る中で何でも悲観的に捉えてしまい、人に対して構えたりかかわるのを避けようとしてしまう。
友達の些細な言葉や、行為にひどく傷ついてしまう事などが理由で子供は学校に行くのを嫌になってしまいます。
現代ではネット社会が発達しており、スマホを使ってSNSなどによるコミュティの形成が容易になり、コミュニティ内でいじめ問題にも発展することもあります。
勉強についていけない
子供の成長にはそれぞれペースがあります、小学校1〜2年生のころは勉強の内容も比較的簡単で子供たちの学力にそれほど大きな差はありませんが、小学校3〜4年生からは社会や理科などの科目も加わりより本格的になります。
そこで勉強内容が理解できず、思うようにテストの点数が取れなくなってくると自分自身に負い目を感じてしまい、学校に行きたくないという気持ちが強くなってしまいます。
これって誰にでもありませんでしたか?私は中学時代に数学が大嫌いになり、ほんとに学校に行きたくなくなってしまった時期がありました。私は幸い数学の得意だった父に教えてもらい何とか授業についていくことが出来ました。
不登校に対して親が出来る事とは
かけがえのない存在である我が子が不登校になってしまったときには親は何をしてあげればよいのでしょうか。
学校に行くことを無理強いしない
無理やり学校に連れて行くことは絶対してはいけません、子供には学校に行きたくない理由が必ずあります。子供と落ち着いて話せる機会を作り、その理由を聞いてあげて下さい。
ゆっくりで構いません、子供が自分から話せるように話をしやすい会話を心がければ良いのです。
早く学校に復帰させたいという気持ちはあると思いますが、子供を焦らせるとかえって学校に行きたくなくなってしまいます。結果を焦ってはいけません。
家庭の問題に目を向ける
家庭の問題で子供に不安を与えていないか振り返ってみて下さい。そして心当たりがあれば子供の存在を無視せずに、不安にさせていないか直接子供に聞いてみて下さい。そしていつでも子供を大切に思っていることを伝えてあげて下さい。
子供に家庭内で役割を与える
どんな事でも構いません、食器洗い、お風呂掃除でも何か役割を与えて下さい。そして子供がそれを行ってくれたら必ず「ありがとうね」と感謝の言葉をかけてあげて下さい。
誰でも誰かに感謝されると嬉しいものです、ましてや小学生の頃って親の手伝いをして感謝されると誇らしいというか、少し大人になれたような感覚ってありませんでしたか?
自分は誰かの役に立っていることが分かると、それは子供の自信へと繋がります。
第三者機関への相談
子供が不登校になってしまった場合には第三者機関に相談するという手段があります。各都道府県には教育委員会による「教育センター」「教育相談所」や厚生労働省所管の「児童相談所」「精神保健福祉センター」その他にも一般社団法人の「不登校支援センター」など、たくさんの相談窓口があります。
恐らく不登校を家庭内だけで解決させるのは難しいでしょう。子供が不登校になってしまった場合に具体的にどのような行動に移せば良いのかわからない人ってたくさんいるのではないでしょうか。
そんなときこそ第三者機関に頼って下さい。不登校は悩んでいても解決はしません。早く解決するために早く行動することが大切です。
一般社団法人 不登校支援センター
https://www.futoukou119.or.jp/
最後に
不登校は親として見過ごせない問題です。最近では学校に行かないことも選択肢だという意見も出始めてきておりますが、私は可能であるならば学校へ復帰すべきだと考えます。
少し話が逸れますが日本人の多くの方は他人に迷惑をかけてはいけないという教育されて育っているかと思います。ただ私はその考えが行き過ぎたものになってしまっていると考えます。迷惑をかけないことが美徳とすらされているでしょう。
そういった考えから自分が抱える問題を他人に相談出来ない人が数多くいると思います。
子供の不登校の問題が家庭内で解決出来ないのであれば、他人に相談して良いのです、むしろ相談するべきなのです。
家庭内だけで悩まずに第三者に頼り、子供が一日でもはやく学校に戻れるような環境作りをしてあげることが親として出来ることではないでしょうか。他人に頼ることは決して恥ずかしいことではないのです。