親や教師からしつけで叩かれた経験がある方は珍しくないかもしれません。
私自身も叩かれたり、ベランダに出されたりした経験があります。当時はしつけの形としてありがちだった『叩く』という行為。
今では改正児童虐待防止法で『体罰禁止』となっていて、現代でそのような姿を見かけたら『虐待』として通報されることもあるかもしれません。
それでも、言葉で言ってもわからない子供や何度も同じ内容で叱ることが続けば、親も人間なのでカッとなったり、イライラしたりして手が出そう…と悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで気になってくるのが、実際子供を叩いてしまったらどんな影響が起きてしまうのか…不安になってしますね。
子どもを叩いてしまうと起きる影響はある?
体罰による悪い影響は子供の先の未来まで影響を及ぼします。
実際にこの後の④と⑤は実際に私も覚えがあります。
強いストレスや言葉の暴力を受けた子供は、脳の前頭前野や扁桃体が委縮し、感情や思考をコントロールする機能に影響します。場合によってはうつ病や犯罪抑制力のリスクが高まることだってあるのです。
しかし、叩くことは悪いことだと理解していても、心に余裕がなくなってくると、つい手が出てしまうこともあるかもしれません。もし叩いてしまったことがあっても、再び親子の絆を取り戻す方法もあります。まず叩くことでどんな影響があるのか見ていきましょう。
●叩かれた子供への影響
①叩いていいものと学ぶことで、お友達や自分より小さな子や動物を叩いたりすることが多くなる。
②思い通りにならないときは暴力で解決してもいいと学習する 攻撃性が強くなることがある
③親に対して恐怖心が生まれ、反抗心に繋がることもある
④常に顔色を伺い行動するようになり、自分で考え行動する機会を奪う
⑤甘え下手になる 心を閉ざす
⑥将来同じ方法で子育てをしてしますことが多い
この通りたくさんの悪い影響があるばかりか、叩いてしまうとヒートアップして逆に親の言っていることが理解できないままになることもあります。
叩いてしまった親も罪悪感に襲われるでしょう。
しつけという名の体罰は、その後も子供には「痛い」「親から叩かれて悲しい」しか記憶に残らず、全くいいことはありません。
●叩いてしまった親への影響
よい親になろうと思って叱った結果、ついカッとなってしまい後で心が痛み悩んでしまうでしょう。
何度言っても改善されなかったり、時間に余裕がない時などはイライラしてしまうこともあります。
但し、1回手を出してしまうと、だんだんエスカレートしてしまうことが多いのが現実です。
その時は心を痛めますが、だんだんその気持ちも麻痺してしますのです。
もしかしたら、その親も幼少期には同じような体験をされていたかもしれません。
子どもを叩いてしまう前に…悪い影響を与えない為にできることはある?
私も2歳児の母であり、イヤイヤ期真っ最中。
自我の芽生えからこだわりも出てきて、あまり何度も同じことで叱っているとイライラしてしまうことも少なくありません。
声かけの方法や普段の心構えを少しずつ変えていくと、ついカッとしてしまう回数を減らせます。
もし叱っているときに子供を叩くと、一時的には悪い行動は止まります。しかし、そこから子供が学ぶのは「恐怖」のみ。
何故だめなのか、どうしたらよかったのか考える機会を無くすばかりか記憶にも残りにくいのです。
子供を傷つけない為に、将来同じことを繰り返させない為にどうしたら良いのでしょうか。
良くない子供への声かけ方法
・周りに気が散る環境(テレビ、おもちゃなど)がある状況で叱っていませんか?
・親の都合で子供にとって難易度の高いことに対して「言うことを聞かないから」怒っていませんか?
まず前提として、普段からの親としての話を聞く態度が実はとても重要です。
子供が話しかけてきたときに、家事をしながら、スマホを見ながらなど片手間で話をしていると、子供は「聞いてもらえない」、「それなら聞かなくてもいい」と解釈している可能性があります。
もしかしたら、構ってほしくてわざと叱られるような行動をしているかもしれません。
毎回は難しくても、意識してきちんと子供に目線を合わせて話すようにすることから始めてみましょう。
効果的な子供への声かけ方法
・感情的にならようにして思いをこめて叱る
人と比べたり、結果だけ叱らないようにします。
叱ることで未来を潰すことだってあります。「〇〇するなら〇〇あげない」など脅すことも良くありません。
・行動を叱る
人格を否定しないようにします。
「あなたには無理」「だから言ったじゃない」などつい言ってしまいそうな言葉ですが、子供の人格を否定する行為です。
テストでもし良くない結果だったとき、「頑張って毎日勉強できていたのに、今回は何がいけなかったかな?」のように一緒に理由を考えたり、一旦肯定することから始めます。
・ご褒美を使わない
かなりやりがちかと思います。
「〇〇ができたらこれあげる」「〇〇終わったら〇〇行こう」など常にエサをぶら下げる行為はご褒美がないと何もできないということに繋がりかねません。
子供の気持ちに寄り添った声かけをすることで、子供の心にすっと染み込ませることができます。まず最初に子供の気持ちに共感し言葉にしてから、自分の気持ちを話すことはとても大切です。いきなり否定から入ってはいけません。
また大人の理想の時間で子供が動いたり、結果を出すのは難しいということです。
時には黙って見守ってみることも大切です。
もし叩いてしまったらできること
最終的には子供自身の気持ちが大切です。
子供が「叩かれたのは自分の為」ということや「親の愛情」だと思える場合は、悪影響にはなりにくいのです。
それ以上に、たくさん褒めたり認めてあげることで、子供はやる気が出たり、意欲に繋がることで物事への集中力が増します。
もし叩いてしまったときは、しっかりフォローすることで悪影響を減らすことができます。
親子の絆をしっかり作ってあげることで、心の傷も修復できるでしょう。
まとめ 子供への声かけや態度を意識することで、叩いてしまうこともなくなります
叩くことは意味がない、そして悪影響しかないということはおわかりいただけたと思います。
親も人間なので「なんで私の気持ちをわかってくれないの?」「いいかげんにしてよ」と思うこともあるかもしれません。
幼少期は「感情のコントロール」を学んでいる時期。
なんとなくダメなことはわかっているけど、何度もしてしまったり、なかなか自分の欲求を押さえることができないこともあります。
そんなときはぜひ、一旦深呼吸をして効果的な声かけ方法を思い出してください。
・結果を叱らず、思いを込めて一緒に解決策を考える
・子供にとってできるだけ実行しやすい、わかりやすい言葉に言い換える
・まず子供の気持ちを共感する言葉から入り、自分の気持ちを伝える
意識してもなかなかすぐに変えるのは難しいもの。
たまに「良くない声かけ」をしてしまっても、自分を責めないでくださいね。
ぜひ意識できる余裕があるときから実践してみてください。