「私は子供に愛情がない母親?」と悩む方へ、伝えたい6つのこと

「言う事をきかない子供にキレてしまった」「甘えてくる子供を無視してしまった」「そもそも子供のことを可愛いと思えない」など、「母親」としての自分の態度や気持ちに悩むことはありませんか?

「自分には子供への愛情がないのだろうか?」

私も同じように悩むことがあります。でも、愛情は子供が感じるものだから、母親がその答えを出すのは難しいのではないでしょうか。

「自分は母親失格?」と悩むより、「今、子供にしてあげられること、自分のためにできることは何か?」を考えることが大切だと感じます。

今、もし子供を傷つけてしまっているなら、そのままでは子供の成長に大きな影響を与えてしまいます。

実は「子供がかわいいと思えない」という悩みは、昔から多くの母親が感じていたそうです。そう感じながらも、子供の幸せを願い育て上げた方や、子供が成長して手がかからなくなり、可愛いと思えるようになった方々もいます。

一歩を踏み出して、母親として何が出来るのかを一緒に考えてみませんか?

子供に愛情が持てない母親の背景

「子供に愛情がない」と悩むお母さん、その背景は様々です。

・日々の育児・家事に追われ、孤独を感じ、育児をつらいと感じている方。

・自分の親からの愛情を感じられず、子供への接し方が分からないと悩む方。

・子供のことを「育てにくい子供」と感じている方。

・配偶者との不仲、経済的な事情など、家庭内で問題を抱えている方。

これらの問題を一口に語ることはできません。ですが「子供に愛情がない」と感じる母親は、一人では解決しづらい悩みや問題を抱えていると言えるのではないでしょうか。

そういった悩みを抱えながら、「母親の自分が子供をちゃんと育てなくては」と自分一人を追い込んでしまうと、ますます余裕がなくなってしまいます

母親に限らず、父親や周りの大人たちも、子供を抱っこしたり、子供の求めに応えたりすることによって、同じように愛情を与えることができます。子育てを母親が一人で抱え込む必要はないのです。

愛情がないと子供にどう影響する?

親が子供に愛情がないと感じている場合、子供と関わることなく放置したり、子供を支配したりすることによって、子供は「愛着」の問題を抱えることがあります

「愛着」とは「特定の人が、子供と1対1で結ぶ、感情的な絆のこと」です。たとえば、子供が初めてのことが出来た時、何かを確認するように、パッと親の方を見ます。

その時、親は子供と一緒に喜び、「できたね!やったね!」と声をかけたりしますが、親に認めてもらえたことで、子供も「自分は出来たんだ」ということを実感できるのだそうです。

子供を見つめ「子供が求めているものに気付き、応えてあげること」が大切です。こうした1対1の関係が、親子の「愛着」という絆を作ります。

その絆によって子供は、親が「自分を守ってくれるので安全だ」、親と一緒にいると「安心できる」と実感できるようになり、子供の感情は発達していきます。

一方、子供のやっていることに親が関心を持たず、先ほどの例ように子供が親を見た時に、つれない態度をとってしまったり、忙しくて気が付かなかったりすると、「愛着」という絆がきちんと作られません。そのため、感情をきちんと発達させることができません。

そのため、一度、悲しみや不安といった感情を持つと、そこから抜け出すことが難しいです。「気持ちが良い」ということが分からないため、片付けが苦手だったり、自分の気持ちにも気付いていないため、他人の気持を想像することが上手に出来ません。

また、愛着の問題を抱える子供は、もらった愛情を貯めておく「愛情の器」が整っていないと言われます。褒めると「もっと褒めて」と要求がエスカレートしてしまい、褒めることや、叱ることで、かえって問題が増えてしまうこともあります。

このように、一般的な子育ての方法ではうまく行かないため、園や学校の先生とも連携して、子供が「安全・安心」感を持てるように接していく必要があります。

愛着の問題は、いくつになっても、取り返しのつかないことではないそうです。また、親の育て方だけが、愛着の問題を引き起こす訳ではありません。専門機関に相談し、一緒に具体的な方法を考えていくのが良いと思います。

スキンシップを大切にすること

子育てのアドバイスとして「スキンシップが大切よ」「ギュッとしてあげてね」などと言われた経験はありませんか。

子育ても始めの頃は、スキンシップと言われても、恥ずかしさがあったり、戸惑ったりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。ですが、子育ての中のスキンシップには、とても大切な意味があります。

子供の頭をなでたり、ギュッと抱きしめたり、スキンシップによって、子供は安心感を得られ、心も成長していけます

わが家に二人目が生まれ、上の子が激しい赤ちゃん返りをした時、保健師さんのアドバイスは「子供を抱きしめること」「とにかくスキンシップをとること」でした。

それまでスキンシップを余り意識していなかったので、半信半疑ながら、子供の手を握ったり、ぎこちなく抱きしめたりしていました。すると、スキンシップをとることで親もホッとする気持ちになったり、子供も自分から甘えてくるようになったりするのを実感できました。

子供が大きくなると、触れ合いも少なくなると思いますが、ポンと肩を叩くだけでも、触れ合いを心がけると良いそうです。

子供に触れるのは難しいと感じる方、「スキンシップが大切」と聞いて苦しくなる方もいらっしゃると思います。専門機関などに相談したり、まずはご自身の気持が落ち着くことを優先することが大切だと思います。

子供の「育てにくさ」とは?

「うちの子は、わがままばかり言って、手に負えない」「すぐにかんしゃくを起こして大変!」「他のお友達は、素直で手がかからなそうなのに…うらやましい!」

子供を可愛いと思えない母親は、子供が「育てにくい」と感じていることも多いようです。「育てにくさ」は、子供の特性による場合もありますが、「自我の芽生え」など発達段階の一つである場合もあります。その場合、「育てにくさ」は成長している証と言えます。

たとえば、今まで、親の言う事を素直に聞いてきた子供が「イヤ!」と言ったり、「自分でやる!」と言ったりします。親にとっては大変ですが、その時期はいつまでも続くわけではありません。子供の自我が芽生え、一人の人間として意見を主張し始めた証だと分かれば「こういうものなんだ」と思えるのではないでしょうか。

また、母親にとって、子供が男の子の場合、その言動が理解できず、戸惑っている方も少なくないのではないでしょうか。乱暴でケンカばかりしていたり、危ないことが好きだったり…自分の感覚として理解できないので、「なぜいくら言っても止めないのか?」と頭を抱えることもあると思います。

でも、男の子とはそういうもの。ケンカを通して相手に対する思いやりなどを学んでいくのだ、と分かれば、少し安心できるかもしれません。

あるお医者さんは「育てにくさも個性ですよ」とおっしゃっていました。

子供を「育てにくい」「扱いにくい」と感じていると、言う事をきかせようと強く叱ったり、イライラして可愛く思えなくなったり、そうした自分の態度を後悔したりすることもあると思います。

子供の「わがまま」も「かんしゃく」も、親の都合で見れば「手がかかる。扱いにくい」と思えますが、違う見方をすれば、それは子供の個性であり、良さでもあるのだ、ということに気付かされます。

子供と少しの間離れること

仕事をしていない母親にとって、子供とずっと一緒にいることが、苦しくなることはありませんか。子供を保育園に預けて、仕事に出られたら気持ちも切り替えられるのに、と思うこともあると思います。

そういう苦しい気持ちは、周りの人には意外と分からないものです。そして「子育ては自分の役目」と思い込んでしまうと、子供を預けて「〇〇できたら」という希望を自分の中に押し込んで頑張ってしまったりします。

でも、勇気を出して、ちょっとの間でも子供を預けてみませんか。私は、子供を保育園の一時預かりに預けたことがあります。それまで人に子供を預けたことがなく、とても悩みましたが、初めて預けた時の解放感と、子供を迎える時の嬉しい気持ちは新鮮で、今でも忘れられません。

地域の子育て支援センターの集まりなどに参加すると、親が食事をする時、トイレに行く時など、支援者の方が子供を見てくれることもあると思います。少しの間でも一人の時間ができ、ホッとすることができます。子供を見てくれる人が自分だけはない、と思えるだけでも、心が安らぐと思います。

このように、ほんのちょっとの息抜きの積み重ねが、お母さんにとっては代えがたいエネルギーになるのではないでしょうか。子供にとってもお母さん以外の大人や子供と触れ合い、自分の世界を広げる良い機会にもなります。

「助けてほしい」と伝えること

夫に育児のつらさを訴えても、分かってもらえないと感じたり、親に頼ろうと思っても、子供を預けることに不安があったり。いっそのこと、一人で乗り切った方が楽!と思える時もあるかもしれません。

以前「育児は先が長いから、子供が小さいうちから頑張りすぎてしまうと、後が続かないよ」とアドバイスをいただいたことがあります。

子供が成長するにつれ、子供をめぐる問題も変わっていきます。その長い子育ての道を一緒に走っているのは、やはりパートナーです。子育てのつらさは、すぐには分かってもらえないかもしれませんが、あきらめずに折に触れて伝えることが大切だと思います。

ただ、何度も頑張って伝えても分かってもらえないと、気力も持ちません。

気持を切り替えて、子育て支援センターなど、抱えている問題によっては病院でも、自分が信頼できそうな所に相談することが大切だと思います。

一人で抱え込まず、何か行動を起こすことで、あきらめて鬱々とすごしたり、イライラを子供にぶつけることも防げると思います。

ただし、母親が家庭内で別の問題を抱えていたり、心の病の可能性がある場合などは、自ら助けを求めることが難しいこともあります。最初の相談先で必要な対応がしてもらえず、あきらめてしまうこともあるようです。周りの方のサポートが、とても重要です。

まとめ

本記事では、次のことをお話してきました。

・悩みを1人で抱え込まないことが大切

・親子の関わり方が不十分だったり、不適切だったりすると、子供は「愛着」の問題を抱えることもある。子供を見つめ「子供の求めていることに気付き、応えてあげる」ことが大切

・心の成長には、スキンシップが役に立つ

・「育てにくさ」は成長の証であることもある

・子供を預け、離れることも大切

・子育てのつらさを伝え続けること。周りのサポートも重要です!

「帰ってきたら、手を洗わせて、ご飯を食べさせて、お風呂に入れて、歯磨きをして…〇時には寝かせなきゃ!」子供が小さいうちは、母親として、日々やらなくてはいけないことは沢山あります。全てを完璧にこなすことは無理だと、誰もが分かっているでしょう。

無理をすると、誰でも疲れたり、イライラしてしまうものです。もし、子供を怒鳴ったり、傷つけたりしそうだったら、子供が安全な場所にいることを確かめ、トイレに行くなど、一時的に子供から離れてください。

その時、子供を守れるのは、お母さんです。

沢山のことを抱え込んで辛くなる日があるかもしれません。時には「子供が笑顔でいればよし!今日は何もしない!」という日があっても良いですよね。

この記事を書くにあたって、次の本を参考にさせて頂きました。