2歳になると「これ ちょうだい」等二語文の会話を始める子が出てきます。と言われていますが皆さんのお子さんはどうでしょうか?早い時期からお喋りが上手な子もいればなかなか言葉が出てこない子もいるかと思います。
なかなか言葉が出ないと心配ですよね。しかし言葉として出てきていないだけで実はけっこう大人の言葉を理解しているものです。それは親子間だけのことかもしれませんがコミュニケーションがとれるなら個人差だとゆったり構えてくださっていいそうです。
そう言われても同じくらいの年の子が上手に話す姿を見ても大丈夫だとはなかなか思えないかと思います。しかも個人差でなく発達等が問題だった場合を思うとこのままの様子見が正しいのか不安になるんじゃないでしょうか。私も息子が言葉が遅く随分悩みました。
そんな不安な方に何をすれば発語に繋がる!というような魔法はありませんが、遊びを通して発語に繋げていけることがあったので、その特徴や手助けの方法等をご紹介したいと思います。
言葉の理解とは?
2歳では発達の基準として二語文とありますが、実際は表出言語(実際に話す事が出来る言葉)よりも理解言語(おとなの言った事を理解している言語)の方が重要になります。言葉の理解とは話し言葉の内容ではなくおとなの言葉に対する理解の事です。「〇〇とってきて」「〇〇するよ」「うん」「ダメ」等こちらの言葉に正しく反応しているなら問題ないと判断されます。
言葉の成長期や爆発等聞いた事があるでしょうか?体に成長期があるように言葉にも成長期があるため一人一人違いがあるのは当たり前です。2歳になって急に言葉を覚え出すのではなく、あかちゃんの頃からずっと蓄えていた言葉を今!という時に自分のタイミングで話し始めているだけなのです。
ただ普段から一緒に過ごしているママやパパだからこそ感じる違和感というものを感じるときがあります。何かおかしいと感じたら気のせいで済ませるのではなくよくお子さんを観察してみてください。その小さな違和感から大きな問題を見つけられることが出来るかもしれないのです。
気を付けないといけない子の特徴は?
ではそれはどんなときでしょうか?視線が合わない、指差しに反応しない、キャラクターや友だちの名前が覚えられない…など、これは私が息子に感じていた違和感です。でもその時はその子の性格だと思って様子を見ていましたが、大きくなってから乱視が酷くほとんど見えていなかったことがわかりました。
このように時には発達以外の問題が潜んでいる時があります。それを親の私たちが見極めるのはなかなか難しいものがあります。どうしても不安や心配がぬぐえない時は専門家に一度相談してください。言葉が遅い子だからと1人不安を抱えたまま様子を見ているよりもずっと心強いと感じるはずです。
まだおしゃべりをしない、一人になりたがる、言葉よりも指差しや手を引いて伝えたい場所まで連れていく、人の言う事が理解できているような気がしない。等は手助けがないと成長が難しい場合があるのです。
ただ2歳児は専門家から見ても判断が難しく正しい診断結果が出るとは限りません。それでも何か該当した場合、対応が早ければ早いほど成長を助けると言われており、専門家の助けを得る事でグンと成長できる子がいるのは確かです。
発音がはっきりしない
耳の聞こえが悪かったり口のまわりの筋肉が弱いといった身体的な問題がある場合があります。
耳の聞こえが悪くなる要因として「滲出性中耳炎」というものがあります。これは痛みがないのでなかなか気づく事のできない病気です。これに気付かず治療をしないでいると聴力がどんどん落ちてしまいます。1度落ちてしまった聴力はもう戻りません。
鼻炎の子がなりやすいように思います。とても近くでテレビを見ていたり、普通の声量で話しているのに何度も聞き返してくる時は注意が必要です。おかしいと感じた時はすぐに耳鼻科を受診しましょう。
筋肉が弱い場合は外遊びを沢山取り入れるようにしてください。全身運動で全身の筋肉がつくと口のまわりも同じように筋肉がつきます。はいはいも体幹にいいそうですよ。
言葉がでない
まわりの大人が気持ちを汲み取ってくれるので自分の気持ちをぶつける必要性を感じていない事があります。話すつもりがないだけなのでこの場合理解力は普通にある子が多いです。
もう一つは自閉症や発達障害で言葉に影響が出ている場合です。その場合は専門家への相談が必要になります。また言葉をいろいろ知っていても単語に偏りがある場合も注意が必要です。
自閉症や発達障害のこどもは自分の興味のあるものはびっくりするくらい覚えているのに興味のないものには全く関心を示さない傾向にあります。物の名前ばかりを覚えていて動詞や形容詞の語彙が極端に少ない事も特徴にあります。
言葉の理解力を促すために何ができる?
こどもにはこどものペースがあります。しかし、何かせずにはいられないのが親心ではないでしょうか。
いろいろ促すためのコツが紹介されてたので試していただければと思います。
ただ会話するだけではいい刺激にはなりません。かといって無理に発語を促すような行為はこどもを委縮させてしまい余計に遠ざかってしまいます。
そうならないように、さりげなく楽しく発語を促せるコツをご紹介したいと思います。
物の名前をその場で教える
こどもの好きなものを中心に教えてください。実際に見て、聞いて、味わったり触ったりする事で、目の前にある「もの」を理解していきます。
テレビを見せたまま放っておかない
テレビを見せている間に家事を進めたい等あると思います。テレビに頼りたくなった時にはこどもに対して「どんな話?面白い?」等、声をかけるようにしてください。
オウム返し
こどもの言葉をそのまま聞き返す方法です。ただ「コップポーン食べたいな」と言い間違えた時は「ポップコーンが食べたいんだね」さりげなく訂正してください。間違ってるよと、強調したり繰り返したりするとこどものプレッシャーになってしまい、楽しい時間でなくなってしまいます。
動作で表現する
動きに合わせて言葉を伝えれば伝わりやすくなります。こどもは歌や踊りが大好きなので表意欲がわいてくるのです。テレビやDVD等でリズム体操を一緒になってまねるのもおすすめです。楽しい顔、悲しい顔等感情が豊かに表現する方法を身に着けられます。
こどもの言葉に耳を傾ける
何と言ったかわからなくても相槌を打ったりこどもの言葉をまねたりして反応を返してください。わからなくてもわかろうとしてくれているという親の姿勢にこどもは安心してどんどん聞いてもらいたいと思うのです。
こどもの気持ちに共感する
失敗して泣いていたら「悲しいね」、喜んでいたら「嬉しいね」と語りかけていくうちにこどもは自分の感情の名前を知っていきます。なるべく楽しい嬉しい気持ちを共感し代弁するようにしてください。ポジティブな気持ちの方がよ脳によりよい刺激を与えてくれます。
例えば時間になってもまだ帰りたくないと泣いてしまう時がありませんか?その時にどれだけ優しく魅力的な言葉で気を引いてもなかなか納得してくれません。
困ってしまったら一度「もっと遊びたかったね」とこどもの気持ちを代弁してみてください。もう少し遊びたかったなという残念な気持ちをわかってほしくて泣いている場合この共感がとても大事になります。わかってもらえたと心が安心すると言葉の理解力もあがります。
絵本の読み聞かせをする
2歳以降は会話が生まれるような絵本がおすすめです。動き回っていても耳だけで聞いている事もあるので構わず最後まで読んで下さい。
もしも途中で遮られたら「今日はこのページをたくさん見る日ね!」とそのページについて好きなところを話したりクイズをつくるのもおすすめです。色探し等簡単な事でかまいません。私の息子は答えがたくさんある方が喜びます。
実況中継をする
自分の家事等行動を実況中継をしてください。こどもたちはおとなが何をするのか興味津々です。散歩の時や料理をする時等なんでもかまいません。今している事を楽しそうに実況しているとこどもも真似て自分の実況中継をするようになりますよ。とてもかわいいのでぜひ試してみてください。
おわりに
言葉が出ないのには様々な理由があるようです。しかも理由はさまざまなのでこれができれば大丈夫、これだけすればもう安心という保証はありません。その時その時向き合っていくしかないのです。
以前専門家の方からリハビリ、療育等は親の不安を解消するためにもあるものだと説明を受けたことがあります。一人で悩んで自分を追い込むぐらいなら相談する事をお勧めします。案外まわり人に相談するよりも専門家に相談する方が気が楽なものですよ。
該当するしないは二の次です。自分の不安解消の為にも相談を検討してみてください。まわりの様子や環境に合わせて無理に成長させるのではなくその子にあった成長速度をみんなで見つけてあげてくださいね。