近頃の公園には砂場が少なくなっている傾向があります。これは、一時期から砂場遊びか汚いという意見が主流になってきたことがあげられます。
実際に、砂場というものは犬や猫のトイレになってしまうこともあり、きれいな場所とは言えないかもしれません。
お母さんにしてみれば、汚いものを口に入れたり、洋服を汚されて洗い物がふえてしまったりしていいことなど何もないように感じてしまうかもしれません。
しかし、子供は砂遊びが大好きなものです。その感触や思い通りになる形、トンネル等を作ることが楽しくてしょうがないんです。
私が覚えている数少ない小さい頃の記憶では、幼稚園で砂遊びをよくやっていた思い出があります。おそらく、砂遊びが好きだったので、毎日のようにやっていた為よく覚えているのでしょう。
そんな子供が大好きな遊びを止めてしまうことはいいことなのでしょうか?
そこで、砂場遊びの危険とメリットについて調べてみました。
砂遊びをさせたくないのは汚いから?どのくらい汚いのでしょう
公園の砂場というのは、基本的に野ざらしなのでどうしても犬や猫、カラスなどの糞や尿が入ってしまうことがあります。
最近では喫煙者が減ってきたので少なくなってきましたが、中にはマナーの悪い大人がたばこの吸殻を捨てる人もいました。
誤って子供がたばこの吸い殻を誤飲してしまうと一本分のニコチンで致死量に達してしまいます。
子供がやりたがっていると、親としては遊ばせたくなってしまいますし、泣き出されてしまったりするとあやすだけでも一苦労になります。
汚いといわれるけれど、実際にはどのようなものが不衛生なのでしょうか?
私も動物の糞尿が汚いことはわかりますが、どのような危険があるのかまではよくわかっていませんでした。
そこで、砂場にはどのような危険が潜んでいるのかをご紹介したいと思います。
クロストリジオイデス・ディフィシル(クロストリジウム・ディフィシルから2016年名称変更)
犬や猫の糞尿から感染することがあり、一般的な症状としては、便が少し軟らかくなる程度から、血性の下痢や腹痛、発熱まで様々です。
大学の調査によると子ども用砂場とイヌ用砂場から、ディフィシル菌が見つかったと報告されています。
サルモネラ菌
一般的に吐き気・腹痛・38℃前後の発熱・下痢などの症状があり、重症化する可能性もあります。また、長期にわたり保菌者となることもあります。
サルモネラは、人をはじめ牛や豚やにわとりなどの家畜の腸内、河川・下水など自然界に広く生息していている細菌で、生の鶏肉や卵についていることで有名です。
保菌している犬・猫・カメなどの「ペット」から感染することもあります。
トキソカラ
トキソカラ感染症は子供やお年寄りがなりやすい病気で、寄生虫がいるイヌやネコ等の動物の糞で汚れた土を口に入れてしまうことで、トキソカラ線虫の虫卵が体に入ってしまいます。
砂場で遊んだ子供は汚れた手から口に虫卵をうつしてしまうことがよくあり、また、砂を食べてしまうこともありますので注意が必要です。
感染すると、発熱、せき、喘鳴(ぜんめい)といった症状が現れます。
また、皮膚の発疹や脾臓の腫大が生じるほか、肺炎を繰り返す場合もあります。それに伴い食欲が減退することがあります。
もし、幼虫が眼に侵入してしまうと、炎症が起こり、視力が落ちる危険性もあります。
以上のように、やはり、危険な細菌や寄生虫がいることがあるので、砂場で遊ぶときは砂を食べたりしないように親が注意して見ていてあげる必要があります。
また、診察をしても寄生虫が原因であると断定するのが難しいので、犬の糞のようなものが残されていたら周りの砂ごと捨てるか、その日は砂遊びを止めるべきかもしれません。
どうしても、衛生面で気になるなら携帯できる消毒アルコールを常に持ち歩くなどして、対策を準備しておけば安心できることでしょう。
砂場遊びをさせないとどうなる?こんなデメリットも
砂場がある程度汚いことは分かりましたが、清潔な場所でだけ子供を遊ばせていてもよいものでしょうか?
昔の子供は、衛生的にきれいと言えない場所で遊んでいたり、動物の糞尿などが身近にあったりしたので、免疫力が強かったなんて話もあります。
その頃の子供に比べて今の子供は、ばい菌や病気に対する耐性が弱くなっているという事実があります。
農家の子は農家以外の子と比べて、花粉症が3分の1、喘息は4分の1と極めて少なかったというデータもあります。
昔の子供には、今ほどアレルギー症状に気を遣うことはなかったように思います。そのため、知識のないおじいさんやおばあさんの中にはアレルギーをわがままや食べず嫌いと間違って認識している方もいるようです。
もし、汚い場所で遊ばせないことが子供の免疫力を弱くしているのだとしたら、将来、病弱になってしまうかもしれません。
そのようなことにならない為にも、親がちゃんとした知識をもったうえで、自然の中で遊ばせることも必要なのかもしれません。
砂遊びで発達する感性とは?
砂で遊ぶということは子供にとってどんなメリットがあるのでしょうか?
子供にしてみれば、何故かわからないけど砂をいじっているのが楽しいという感覚があるようです。
ですが、それ以上に砂遊びをすることで自然と養われる感覚があるといわれています。どのような感覚が養われるのかを調べてみました。
五感の刺激
触覚や視覚等を使って遊ぶので、五感が鋭くなります。
適応能力
砂が目に入ったりすると痛いという感覚を知ることで、どうすれば痛いことを避けられるのか、目にゴミなどが入ったらどうすればいいのかということを学びます。
想像力
自分の思い通りに砂が形を変えるので、いろいろな形を作り出そうとします。砂が思い通りに固まらなかったりするのでどうすれば固まるのかを試行錯誤したりもします。
トンネルなどを作るときは、どうやればつながるのか、先がどうなっているのかを想像して穴をあけたりするので、豊かな想像力が身に付きます。
免疫力
砂の中の雑菌に触れることで、免疫力が強くなります。
砂遊びの多い園では、インフルエンザの発症率が低く、食中毒や病気にも強くなります。
社会性・協調性
限られたスペースのなかで集団で遊ばなければいけないこともあるので、場所の譲り合いや順番を待つということ、おもちゃの貸し借りなどの他人との関わりの中で社会性や協調性を学ぶことができます。
以上のように、感情や常識、耐性など様々な点で子供の教育に役立つことがわかりました。
ただ、最近の夏場の気温は異常な暑さになっているため、気を付けて遊ばないといつの間にか脱水症状になってしまい体調を崩してしまう可能性があります。
防止の用意や水分補給をしっかりして、遊ばせてあげるようにしてあげましょう。
一緒に砂場で遊んでみると意外と楽しかったりして、大人も気分転換になったりしますよ。
どうしても砂場が不安ならこんなものもあります。
いくら砂場が子供のためになると言われても、やっぱり、洗い物が増えたり、病気になるかもしれないことをやらせるのは不安という方もいることでしょう。
そこで、最近ではプレイウェアというものがあります。
簡単に言うと砂場用のツナギのようなものなのですが、これがとても便利で、汚れても水洗いができますし、洋服が汚れないので洗い物が増えません。
撥水効果があるものが多いので、雪の日でも遊べちゃいます。
また、どうしても外にある砂が嫌だという方には、キネティックサンドというものがあります。
成分は98%の砂と2%の企業秘密で出来ているとのことで、ほとんど砂と同じような感触なのに、ちらばったりしないのでお部屋の中で遊ぶことができます。
小麦粉で粘土を作って代用することも可能ですが、間違えた保管方法をしてしまって腐ってしまい、物凄いにおいを発生させてしまったことがあるので、扱いには注意が必要です。
砂で遊ばせてあげたいけど、外の砂は触って欲しくないというお母さんには良い商品だと思いますよ。
まとめ
砂場遊びについていろいろ調べてみましたがいかがでしたでしょうか?
普段の砂場遊びは公園に置かれているものをいじることが多いと思います。
また、夏になれば海に連れていく機会もあると思いますが、小さいうちは海に入れるのは怖いので砂遊びをして過ごすことになるでしょう。
海の砂は公園の砂場よりはきれいだと思いますが、犬の散歩コースであることも多いので絶対安全とは言えません。
保育園のよっては、近場のいつもの公園に行くことが多いので、そのような公園には砂場が用意されているかもしれません。
意外と子供が砂に接する機会は多いのです。
砂場遊びは汚いという意見も分かりますが、やはり子供にとっては人気のある遊びのひとつです。
昔から、3歳くらいまではやりたいことをやらせた方が子供の発達に良い影響があるという話もあります。
私も、小さなころの記憶はほとんどありませんが、砂遊びをした思い出だけはなぜか覚えています。よほど楽しかったのでしょう。
もし、病気や怪我が怖くても親がしっかりと知識を学んで、子供を守ってあげればよいのです。
子供がのびのび育ってくれるように、できるだけいろんな体験をさせてあげることをお勧めします。