「赤ちゃんが夜中の3時にパッチリ目を覚まして、明け方まで眠らなくなった」そんな日が何日も続き、寝不足でイライラして自己嫌悪に…「どうしたら寝てくれるのだろう」と不安で一杯になってしまう方も多いと思います。
誰もが寝静まった夜、赤ちゃんが眠ってくれない時のイライラや孤独感は、親にしか分からないもの。私の子も簡単に眠ってくれる方ではなかったので、心身共に疲れがたまり、「何か分からないけれど自分の育て方が間違っているのだ」と親としての自信さえなくすほどでした。
ですが、色々な方の話を聞き、赤ちゃんが眠らないのは珍しいことではなく、多くの親が同じように悩んでいることを知りました。さらに、多くの親がやりがちな、ある習慣を止めることにより、赤ちゃんが自分自身の力で眠ってくれることを最近になって知りました。
これから書くのは「消去法」と言う、とてもシンプルで分かりやすいやり方です。つらい寝不足に悩んでいる親だからこそ、「この寝不足を何とかしたい!」という気持ちさえあれば、チャレンジできると思います。
怖いのは、親が一人で悩んで思いつめてしまうことです。「このままでは心の病気になってしまいそう!」と感じたことはありませんか?不安な気持ちは、そのことばかり考えていると、ますます不安になっていきます。
大切なのは、何か行動してみることだそうです。これからご紹介する方法を、ぜひ試してみてください。この記事を読んで、寝不足が解消され、赤ちゃんにとって何より大切な、ママやパパの笑顔が増えますように願っています。
赤ちゃんが夜中に覚醒する時、どうしたらいい?
赤ちゃんが夜中に起きてしまった時は「無理に寝かそうとしても疲れてしまうし、放っておく」という方も多いようです。
「消去法」はまさに、赤ちゃんを寝かせたら翌朝の決めた時間までは構わない、というやり方です。(ただし、病気やケガの場合を除く)
赤ちゃんが泣いて起きると、私達は抱っこをして寝かせることが多いですよね。
私は出産した総合病院で、深夜自分の赤ちゃんがフロアに響き渡るような大声で泣く度に、授乳と抱っこを必死で繰り返していた記憶があります。
退院して家に帰っても、夫の母が赤ちゃんを抱っこして、すんなりと寝かせてくれるのを見て、抱っこして上手に寝かせられるのが良い親なのだと思ったものです。
このように、昔から続けられてきた「泣いたら抱いて寝かせる」という習慣ですが、実はこのことによって「寝なければ親が構ってくれる」と赤ちゃんに覚えさせてしまっているのだそうです。その親の行動を「消去」して、赤ちゃんが自分の力で眠れるようにするのが、この「消去法」です。
「消去法」では、赤ちゃんを寝かせた後、赤ちゃんが泣いても、抱っこや必要な時以外の授乳はしません。親は赤ちゃんを寝かせたら、別室に移動するとやりやすいようです。
もし、赤ちゃんが泣いたりかんしゃくを起こしたら、決めた時間(5~15分程度)待って、それでも治まらない場合には様子を見に行くようにしても良いそうです。
もちろん、赤ちゃんのいる部屋は、赤ちゃんが壁に頭をぶつけたり、転落したり、何かを誤飲したり、危険のないように細心の注意を払っておかなければいけません。
また、授乳についてのポイントをお伝えします。私もそうだったのですが、たとえば夜中に赤ちゃんが何か声を出したりするたびに、すぐ授乳をしてしまうと、かえって赤ちゃんの眠りのリズムを邪魔してしまうことがあるそうです。
赤ちゃんが泣いた時は3~5分位様子を見ましょう。そのまま赤ちゃんが眠ってしまった場合は「寝言泣き」と言って、寝ぼけていただけなので、授乳は必要ないのです。
赤ちゃんが泣いたら、何とかしてあげなければと思うのは自然なことですよね。それでも、赤ちゃんが自分で眠る力を信じて、少しの間待ってあげてください。いつもと違うことを試した時、きっと何か新たな発見があると思います。
私は理由があって、わが子が一歳の時に断乳したのですが、それまでは始終べったりの子だったので、断乳は相当苦労するだろうと覚悟をしていました。予想通り、断乳した最初の日は大泣きしました。
しかし、その後数日も経たないうちにわが子は新しい状況を受け入れ、あっさりと断乳できたのです。この子は授乳がないとダメなんだ、という自分の思い込みが、実は違っていて、子供には新しい状況を受け入れる力があるんだと感じた瞬間でした。
話が少しそれてしまいましたが、赤ちゃんが秘めた力というのは私達の想像を超えるものなのかもしれません。
今回ご紹介した「消去法」は効果も確認されているやり方です。赤ちゃん自身の力を信じ、赤ちゃんも親も、心穏やかにぐっすり眠れるようになったらいいですね。
参考:羽山順子ら, 2011. 小児の睡眠問題に対する行動科学的アプローチ
まとめ
赤ちゃんが夜中に覚醒して悩んでいる方に向けて、「消去法」というやり方について書いてきました。この記事が、少しでもヒントになれば幸いです。
この記事を読んでいただいている方の中には、寝不足でイライラして、自分をコントロールできなくなってきている方や、自分を責めて思いつめている方もいるかもしれません。もしくは、不安を持ち始めたばかりの方もいるかもしれません。
いずれにしても、寝不足とストレスでまいってしまわないように、どうぞ身近な方に相談してください。赤ちゃんの検診の時は、悩みを相談しやすいですよね。検診がない時でも、保健師さん、ファミリーサポートセンターなど利用できるサービスはどんどん利用して、心の不安をなるべく早く取り除いていただけたらと思います。
私の場合は、夜中どんなに悩んでいても、日中は赤ちゃんのお世話で一杯になってしまい、いざ頼れる人に合っても、相談をしそびれてしまうことがありました。なので、今子育てで不安に思っていることをメモに書き、相談したい人に会うことにしていました。
赤ちゃんがぐっすり眠ってくれるのは、まだ先のことかもしれません。個人差はありますが、夜泣きや夜間覚醒は生後6~8カ月がピークで、3歳までには落ち着くとも言われているそうです。長い子育てを笑顔で乗り切るためにも、周りの助けを得て、ご自分のことをいたわってあげてください。