オムツ替え時に動き回る我が子に「じっとしろ!」と怒鳴ってしまった。
イタズラをやめない我が子に「いい加減にして!」と手を上げてしまった。
そんな経験はないでしょうか?
ダメだと分かっていても、イライラが募り、子供に強く当たってしまうことってありますよね。
そんなことをしてしまった時、多くのママが、子供への影響を気にしているようです。
結論を言うと、怒鳴ったり、叩いたりすることは、子供の成長に大きく悪影響を与えます。
そればかりか、何の意味もないのです。
正確には、“何がいけなかったのか”、”なぜママが怒っているのか”ということは、全く伝わっていないのです。衝撃的ですよね。
どんな影響があるのか?
どのように叱ったらいいのか?
今からでも遅くありません。日頃の自分自身を振り返りながら、考えてみましょう。
今回は、特に0歳〜1歳頃の赤ちゃんに焦点を当ててお話します。
赤ちゃんを叱ると後からどんな影響がある?
近年では、”叱らない育児”なんて言葉も聞かれるようになりましたね。
「子供を怒鳴るのはあまり良くない」という認識をお持ちのママも多いのではないでしょうか。
実際、親が怒鳴りつけることや叩くことは、子供の精神的成長に悪影響を及ぼすと言われています。
怒鳴り声や暴力を受けたとき、子供は不安や恐怖で満たされます。その経験が頻繁に積み重なると、心の傷となってしまうのです。
具体的には、以下のような影響があります。
・自分に自信を持てなくなる→自分の気持ちを言えない、いつも他人の顔色を伺う
・親から愛されていないと感じるようになる→他者への信頼も持てなくなる
・攻撃的になったり、キレやすくなる
・親から浴びせられた悪い言葉をそのまま身に付けてしまう
・情緒不安定になる→集中力が下がることも
これらの症状は、大きくなったときに、いじめへの加担や問題行動、うつ病に繋がる恐れもあります。
怒鳴る、叩く以外にも、「出ていけ!」「お前はダメなやつだ」「お前なんかいらない」等のような人格を否定する言葉をかけることにも、同様の影響があります。
その叱り方、本当に伝わってる?
普段どんな叱り方をしていますか?
感情的になり怒鳴ってはいあないでしょうか?
自分の思い通りにならない子供を叩いてはいませんか?
「叩けば言うことを聞く」と思っているママもいるかもしれません。
本当にそうでしょうか?
叩かれた子供は”ママの言うことを聞いている”のでしょうか?
“悪いこと”だと理解したから、その行為を止めたのでしょうか?
そうではありません。
怒鳴り声への恐怖や、叩かれた痛みによって一時的に止めただけです。それが”悪いこと”だということは、全く伝わっていません。
たとえば、お友達を叩いてしまったときを考えてみましょう。
小さい子供の場合、それが悪いことだとは分からずにやってしまっている場合もありますよね。
だからこそ”お友達を叩くのはいけない”、”叩かれるとお友達は痛くて悲しい”ということを、親が教えてあげる必要があります。
この時、ママが「ダメでしょ!」と怒鳴りながら我が子を叩いたとしたらどうでしょう?
確かに、その場では、お友達を叩くことを止めるかもしれません。
しかし、この頃の子供は基本的に「ダメでしょ!」という言葉だけでは”何が悪いことなのか”を理解することはできません。
では、なぜ叩くことをやめたのでしょうか?
実は“悪い”から止めたのではなく、ママが怖い、もしくはビックリして止めただけです。子供にとっては「よくわからないけどママに怖い顔で叩かれた」だけなのです。
ママの目的は「お友達を叩いてはいけない。叩かれたらお友達は痛いし、悲しいよ。」と教えてあげることのはずです。
それが伝わっていなければ、何の意味もありませんよね。また同じ事を繰り返し、ママもまた同じ事で怒る…という悪循環になるだけです。
お友達を叩く手を優しく止め、冷静に説明してあげてください。怒鳴り声で説明されても、子供は恐怖が先行し、何を言われているのかわかりません。
反省して泣いているのではなく、怖くて泣いているだけかもしれませんよ。
どうやって叱ればいいの?
叱るというのは、実はとても難しいことです。叱り方がわからないというママも多いでしょう。
本来、子供を叱る目的とは“何が悪いのか”、”どうして悪いのか”を教えてあげることです。それが伝わらなければ、何の意味もないのです 。
「でも、どうすれば子供に伝わるのかわからない…」と思ったママさんも大丈夫です。
叱るときのポイントをいくつかご紹介します。大切なのは、ママが”叱る目的”を忘れないことです。
①まずは落ち着いて冷静に
親も人間ですから、イライラしてしまうのは仕方のないことです。感情的になってしまいそうな時には、まずは一呼吸おくことを意識してみましょう。
感情的に威圧しても、子供は何も分かっていません。子供に悪影響を与えるだけだということを思い出してみてくださいね。
②何が、どうしていけないのかを言葉にして伝える
「ダメ!」だけではなく「〜は危ないからやめてね」のように、理由を説明してください。ダラダラと説明するのではなく、わかりやすく簡単に伝えましょう。
③子供の気持ちを代弁してあげることも大切
なぜそれをしてしまったのか、何か理由がある場合には「〜がイヤだったんだよね。でもね〜」のように子供の気持ちに寄り添って対応しましょう。
④近くへ行って声かけを
台所仕事をやりながら「やめなさ〜い!」と叫ぶよりも、子供の近くまで行って「〜は危ないよ」と伝える方が効果的です。
⑤家庭内のルールを決めるのも有効
ママはダメっていうけどパパは許してくれる、ママ友の前では怒らない等は、子供も混乱します。
命の危険があること、汚いこと、公共の場でのマナー等、ここまでやったら叱る!という一定の区切りをつくっておくといいでしょう。
⑥叱らなくて済む環境作り
触られたくないものはしまっておく、開けられたくないとこにはロックをつける、危険なものは手の届かないところに置く…叱る原因を減らすことは、イライラの軽減にもなります。
⑦本当に悪いこと?
“親にとって都合が悪いこと”と”悪いこと”は違います。
そもそも赤ちゃんにとってイタズラは、成長過程の1つです。知らないものを知ろうとする探索行動なのです。その行動は親の想像をはるかに超えてくるものばかりですが、好奇心の表れ。「死にはしないか〜」くらいの気持ちで見守ってあげることも大切です。
いつも怒鳴っているアレやコレ…本当に悪いことなのか?考えてみてくださいね。
まとめ
子育てにはイライラがつきもの。可愛い我が子が、まるで怪獣のように見えることもあるでしょう。
つい大声で怒鳴ってしまったり、手が出てしまうことは、誰にでもあり得ることです。
しかし、そんなことをしても何のメリットもありません。子供の心が傷つくだけです。
今からでも遅くはありません。
すぐに全てを変えるのは難しくても、10回のうち2回、5回、7回…と少しずつ叱り方を変えてみませんか?
意識が変われば、行動も変わるはずです。
大丈夫です。
ママの愛情は、きっと伝わりますよ。