幼少期にうけた暴力は死ぬまで続く?忘れられない悪影響とは⁉

最近では、報道機器が発達した所為か様々なニュースを目にするようになりました。その中でも特につらいのが、子供の虐待や育児放棄などの記事に関するものです。昔に比べてその手のニュースが良く報道されているような気がします。

実際に子供を育てている親や無事に子供を育て上げた世代などは、自分に置き換えて考えてしまうので、身を切るようなつらさを感じてしまうと思います。事実、私も子供が生まれる前よりも子供に関するニュースには敏感になったと思います。

子供を育てるということに正解はないと思いますが、暴力をふるうことが正しいということはあり得ません。そこで、子供が幼少期に暴力を受けて育つとどのような影響を与えてしまうのかを調べてみました。

例えば、幼少期に暴力を受けてしまった大人の話

これは、私の知人の話ですが、小さい時にお父さんが暴力をふるうことが多い人で、お母さんが止めることもなくそんな生活に耐えていました。しかし、子供の世界は家庭の中が中心なので、大人になるまでおかしいと思わなかったそうです。その方は、そんな生活のせいか大人しい性格で友達もあまりできなかったそうですが、高校生の頃にできた友達に指摘されて自分の扱いがおかしいことに気づくことができました。しかし、暴力をふるうお父さんが怖くて逆らうことができませんでした。

結局、そんな生活に耐えられず高校を卒業するころに、夜逃げのように荷物をまとめて家族のいない昼間に逃げ出しました。その後、母親に力の矛先が向いてしまい、母親からは逃げ出したことを責められるようになりました。それほど遠くに逃げることもできず住んでいる場所も家族に知られていたため、結婚までの独身時代はインターフォンがなると父親が来たと考えてしまい、体が震えることがあったそうです。

現在は、逃げ出した後に知り合った方と結婚し、子供も生まれて幸せに暮らしていますが、いまだに1人でいる時間は宅配便などの配達の時のインターフォンを警戒してしまい、過呼吸になることがあるようです。

このように子供の頃にうけた暴力は性格に影響を及ぼしてしまったり、正常な価値観を失わせたり、心的外傷後ストレス障害の症状がでるようになってしまうことがあります。子供を育てていると「言うことを聞かない」とか「イライラした」などという理由で自分の思い通りにするために、躾といって叩いてしまいたくなることはどうしても出てきますが、叩かれてしまった子供は一生覚えているかも知れません。

叩いて叱った経験のある人は、本当に叩かなかければ理解してもらうことができないのか、他のやりかたで「なぜやってはいけないのか」を教える工夫を考え続けなければならないでしょう。叩くというやり方をつかわないで子供を立派に育て上げた親御さんは数多くいます。将来、子供との関係が仲の良いままでいるためにも、育て方についての良い方法を悩み続ける努力を怠ってはいけないのです。

暴力を受けて育った大人の特徴とは?

幼いころから家庭内に問題があった人、特に暴力を振るわれて育った人には共通する点が多くあるようです。社会的なコミュニケーションが苦手な人が多いのは想像するのに難しくはありませんが、他にも特徴的な共通点があります。

 代表的な共通点

  • 知的発達への影響

幼少期の子供は当然ですが、それほど頑丈ではありません。大人の感覚で叩いてしまうと頭などであれば脳などにダメージを与えてしまい、発達を送らせてしまうことがあります。また、虐待を受けた子供は脳が委縮してしまったり、老化が早まったりしてしまうという研究結果もあります。その結果、発達障害をおこしてしまいます。

  • 心理的な影響

心理的外傷を受けてしまうと、その後の生活にも悪影響を与えてしまいます。虐待の記憶が突然よみがえってしまったり、記憶障害をおこしたりしてしまいます。結果として、解離性同一性障害(多重人格障害)を起こすこともあります。

  • 価値観の崩壊

暴力を受けた子供は、他人を信用することが出来なくなってしまうので、人間関係が築きにくく、仕事を長く続けることが難しくなってしまいます。また、自分が子供を持った時に、どのように接してよいかわからず自分の親と同じような暴力をふるってしまう傾向があります。

もちろん暴力を受けて育った子供の中にも、立ち直って立派に成長された方は多くいらっしゃいますが、子供の人格形成に悪影響があるのは当然といえるでしょう。

一番恐ろしいことは、このような暴力が自分の子供の世代に連鎖しやすいということです。暴力をふるったほうは、その事実さえも忘れてしまうことがありますが、暴力をふるわれたほうは一生その傷が残り続けるのです。

言うことを聞かせるために一時の感情で行った行動が、どれほどの影響を子供に与えてしまうのかをよく理解して子供に接していくことが大切なことだと思います。

まとめ

子育てをしていると、子供の行動がどうしても思い通りにいかなかったり、忙しい時に限って言うことを聞かなかったりすることは多いと思います。しかし、そこで自分の思い通りにいかないからと叩いてしまうのは、親が子供に甘えているのだと思います。

暴力と躾の違いがわからないということを子供に押し付けているのです。どうしてもその違いが分からない人は、その基準を判断する方法があります。人に自分のやっていることが話せるかどうかということです。

子供が未熟なのは当然として、親も人として未熟なのです。もちろん親も人間なので間違えてしまうことはあると思いますが、人は反省をすることができるのです。自分が正しいことをできているのかをいつも考えながら、子供と一緒に成長していくという心構えが大切です。