虐待は世代連鎖する。 子供を叩く父親をやめるには

父親がしつけと称してお子さまを叩く、あるいは感情的になりお子さまを叩く場面を目撃して、ショックを受けた事はありませんか。

また父親本人も我が子を叩いてしまう事をやめれず悩んでいませんか。

冷静になると、もうこんな酷い事はやめようと決意するにもかかわらず、時間がたつとまた自分の感情をコントロール出来ず、同じことを繰り返してしまう。

いつでも穏やかな態度で子供と過ごせるのが理想ですが、子育ては理想通りいかないのが現実です。

幼児期はまだ言葉がうまく伝わらない時期。どうしていいのか混乱もするしイライラもしますよね。

そして成長すれば言う事を聞かなくなってくるし、反抗的な態度もするようになります。

親としてお子さまのために正しい事を教えたいけれど、なかなか言う事を聞いてくれず思わず手を上げてしまう事もあるかと思います。

しかし、叩いて言う事を聞かせても、しつけや教育にはなりません。かつては許されている時代もありましたが現代では、恐怖心を与える行動や言動は虐待とみなされます。

そして叩く、怒鳴る事は子供にとって恐怖心を与えるだけです。良い効果は得られないのです。

叩かれて育ったお子さまは成長して大人になってからも様々な後遺症に苦しむ事になります。

また万が一強い衝撃で打ちどころが悪かったら体に後遺症が残る場合もあります。

最悪な結末として世間のニュースにならないためにも、お子さまの健やかな成長のためにも、叩く事をやめたいですよね。

父親が叩く事をやめれたら、家族全体も穏やかで安心感に包まれるでしょう。それは父親本人も子供の頃に求めていた家族像だったかもしれません。

叩いてしまう事を選択しないように、自分のペースで良いので出来る事から実践してみましょう。

叩かれて育つとどのような影響が起こるのか?

父親に頻繁に怒鳴られ、叩かれて子供時代を過ごすと、どのような障害がお子さまに起こるのか具体的に挙げたいと思います。

・叩かれ、怒鳴られたりされると心に傷が残ります。

家族に対して本来持つべき、安心感や信頼感が育たなくなってしまします。大好きな父親から叩かれ、心に傷が残ります。

・親の顔色を伺い、自分の気持ちを押し殺すように

怒鳴られる、叩かれる恐怖心で、お子さまは親の顔色ばかり気にして行動するようになります。

また自分の意に反して親が望む事を選択したり、思った事も言えなくなり、コミニュケーションに興味関心を持てなくなります。

・父親に対して不信感を抱えるようになってしまう

親の愛情をもらえず育つと、成長してから父親に対して憎しみの感情を持ってしまう可能性があります。

・周りのお友達を叩いてしまう可能性がある

父親が叩く事をしていれば、お子さまも相手が悪い事をすれば叩いても良いと覚えてしまい、お友達ともめたりした時に、つい手が出てしまう場合があります。

その後も気に入らない事で暴力を振るったり、怒りを爆発させてしまったり、自制心をコントロールが出来なくなる可能性があります。

・自己評価の低い、自信を持てない人間になってしまう

親から怒鳴られたり、叩かれたり、愛情を与えられないと、自分に自信を持てず自己評価の低い人間となってしまい、劣等感に苦しむ事になります。

・思春期の親からの自立心が芽生える時期に問題行動が増えてくる

父親から叩かれ続け、心の傷をケアしないまま放置してしまうと、いづれ思春期以降の悪影響として、乱暴なふるまいや家出や非行など、様々な問題行動が起こる可能性があります。

・お子さまが親になった時に同じ事を繰り返してしまう

虐待は世代連鎖すると言われています。叩かれ怒鳴られ続けて育ったお子さまが大人になり親となった時に、自分の子供にも同じ事をする可能性があります。

叩く事をやめるために感情をコントロールをしよう

叩いてしまったら、ご自身の心が落ち着いてから、お子さまを必要以上に怖がらせてしまった事を謝りましょう。

「お父さん、〇〇を叩いてしまってとても怖い思いをさせてしまったね。本当に悪かったよ。ごめんね。人を叩くなんて何があっても良くない事だね。お父さんが間違っていたよ。」と正直に自分の気持ちを伝えます。

お子さまも父親の気持ちが伝われば、仲直りする事が出来るでしょう。

叩く衝動を抑えるには、怒りをコントロールする事が重要です。お子さまの心に恐怖心を残さないためにも、難しいと思いますが根気よく取り組みましょう。

手をあげる前にお子さまと距離を置いて気持ちを切り替える必要があります。

その場を離れたら感情をエスカレートさせないように、深呼吸をします。そして自分なりに気持ちの落ち着け方を考えておき、実践しましょう。何度も繰り返し実践する事で、心を落ち着かせる習慣が出来てくるでしょう。

そして叩かないでいられた時の気持ちを実感出来れば、自信を持てるでしょう。

叩いてしまうと後には自分自身への苦しみと後悔が残ります。お子さまへの心に残る傷も心配ですよね。ご自身の苦しみを解決するためにも、自分の内面と過去と向き合う時間を作りましょう。

お子さまの心のケアとして、どうして叩いてしまったのか理由を話して謝る事が大切です。そして愛情を持ってお子さまと遊んで過ごす事でお子さまの心も安定するでしょう。

イライラした時に出来そうな事を紹介しますので、実践してみましょう。

・叩きそうになったらその場から離れる

感情のコントロールが出来なくなる前に、お子さまから離れて叩く事を防ぎましょう。子供を叩く事は許されない、選択してはいけないと強く意識する事が大切です。

・気持ちを切り替えるためのルーティンを作る

お子さまから離れたら次は怒りを鎮めるために、なんでも良いので自分で決めたルーティンをします。

例えば、まずは深呼吸、好きな雑誌を読む、音楽をかける、コーヒーなど飲むなど簡単な事で良いのです。

深呼吸で気持ちが落ち着けば良いのですがおさまらない場合はいくつかのルーティンをこなします。

・叩く事を我慢できたら記録する

感情を抑える事が1回でも出来たらカレンダーなどに記録しましょう。継続が自分自身の自信につながります。

・自分の過去と向き合う時間を作る

お子さまは自分の所有物ではありません。ひとりの人間です。

なぜお子さまを叩いてしまうのか自分の気持ちや過去を振り返ってみる事で原因に気づいたり、問題解決に役立つ事があります。

その時、自分の思いを紙に書くと気持ちが整理しやすくなります。

・信頼できる人に相談する

信頼できる人に相談するのも問題解決の手助けになります。人に話す事によってとても楽になります。

身近な人に話すのに抵抗を感じるのであれば、カウンセリングを受けたり、地域の子育て相談センターなどの電話で話を聞いてもらいましょう。

お子さまの将来のためにもひとりで抱え込まず相談してみましょう。

相談サイトもありますので、是非利用してみましょう。

・育児相談電話 「日本保育教会」 https://www.nippo.or.jp/soudan/

・お子さまと離れて暮らすのも一つの方法

叩く事を自分ではどうしてもやめる事が出来なければ、離れて暮らす事も方法としてあります。

離れてる間に自分の心と向き合いましょう。睡眠不足や疲れが溜まっているとイライラしやすくなります。お子さまと会う時までに心を穏やかに整えましょう。

母親もただ見ている傍観者ではお子さまを守れません。お子さまが安全で安心できる環境を確保しましょう。

まとめ

大切なお子さまに愛情を持って接するために、怒りをコントロールする必要があります。少しずつ冷静さを取り戻す習慣をつけていきましょう。

怒りのコントロールは難しい事ですが、何度も取り組む事で意識出来るようになります。

父親自身も過去に叩かれて育った経験があると、自分も親になってから我が子を叩く可能性があります。

虐待は世代連鎖すると言われています。この連鎖を断ち切るために、自分の過去ときちんと向き合い、自分と我が子は別人であると理解する事が大切です。

事態がエスカレートする前に家族や子育てセンターなど専門の方に相談するなど1人で抱え込まないようにしましょう。

人は話す事で心理的に負担が軽減する事があります。自分ではどうにもならない場合は第三者に立ち入ってもらう事も必要ですよね。

今から出来る事を取り入れて、将来お子さまが幸せな生活が送れるように、信頼できる父親を目指しましょう。