最近は会社などで部下を叱りつけたりするときに怒鳴ったりするとすぐにパワハラなどといわれてしまい、社会で怒鳴るという行為を見かけることが少なくなっているような気がします。
しかし、家庭の中というのは閉鎖的な社会なのでまだまだ怒鳴ってしまう父親はいるようで、ホームセンターなどで子供が言うことを聞かないときに大きな声で叱っているお父さんを見かけることがあります。
そこで、昔はよく見かけられた怒鳴って躾をするということが子供にどのような影響を与えてしまうのか、また、怒鳴ることを止められない原因について紹介します。
父親に怒鳴られて育った子供はこんな風に育つ
子供は親を選ぶことができません。親の育て方がその子供にとっての常識になってしまうので、怒鳴られないように気を付けて生活するようになってしまいます。よくある特徴として以下のようなものがあります。
- 怒られないように消極的になる。
- 好奇心が無くなる。
- 自分を守るために嘘をつくようになる。
- 自分に自信が持てなくなる。
- 考えることをしなくなる。
- 他人に対して攻撃的になる。
などなど、他にもたくさんの悪影響があります。これは、自分を守るための当然の行動と言えますし、また、親の真似をすることが子供の学習の基本なので当然の結果と言えるでしょう。
最近の言葉としてアダルトチルドレンというものがあります。間違えて使っている人を度々見かけますが、子供っぽい大人という意味ではありません。子供時代に子供らしくできずに大人になってしまった人のことを指します。このような人は子供時代にわがままを言えなかったせいで、子供の頃に感じた不安感や怖さ、寂しさを抱えたまま大人になってしまったので人に対してどのように接したらよいのか分からなくなってしまうのです。
自分の思い通りにいかないと、つい強くいってしまったり、無理やり思い通りにさせようと強引なやり方をしてしまいがちですが、子供との関係は育てているというよりも一緒に育っているという対等なものを心がけるべきでしょう。
なぜ怒鳴ってしまうのか?
怒鳴っている人はどうしてそんなに声を荒げてしまうのでしょう?子供に対して声を荒げているのをみかけることがありますが、見ていて気分の良いものではありません。しかし、その人も怒鳴りたくて怒鳴っているわけではないのです。
だからと言って怒鳴ることが許されるというわけではありませんが、なぜ、怒鳴るほどに怒っているのかを知ることで、その回数を減らすことはできるかもしれません。子供を怒鳴ってしまう人のきっかけはどのようなものがあるのでしょうか?
感情のコントロールができない人は、その人が持っている欲求に主な原因があります。よく怒鳴る人は、独占欲が強かったり、自己中心的であったり、疲れからくる八つ当たりであったりします。
すべてに言えるのは、その人自身の弱さに原因があるのですがそのことを指摘しても余計に怒らせてしまいます。自分が相手にされていないと感じることを最も嫌うからです。
そこで、無理やりに相手に話を合わせながらでも6秒間時間を稼ぎましょう。人は6秒間のうちに脳内で怒りを抑制させようと働きかけます。そのため、6秒間待てば怒りが少しは収まるので、理性的に話ができるようになります。
正直、怒っている人はどのように接したらよいか困ってしまうものですが、簡単に相手にしないという選択はしないようにしましょう。
病気の可能性を考えてみる必要もあるかもしれません
相手が怒りやすい人の時に、何故そんな些細なことで怒っているのか分からない場合があります。子供のやってしまうわがままなどは、人によっては可愛いとさえ思える行動だったりもします。
特に2~3歳くらいから始まるイヤイヤ期は、悩みを抱えてしまう親も多いと思います。そのような時期に怒鳴ってしまう父親はただ単に我慢が苦手な人なのかもしれませんが、病気の可能性がないとは言い切れません。
病気というのは判断基準がわかりにくく専門家に聞かないと、病気かどうかすらわからないこともあります。しかし、怒鳴りやすくなってしまったり、怒りの感情をコントロールできない病気も確かにあるのです。
最近、ネット上などでも境界性パーソナリティ障害やアスペルガー障害という病名を見かけることがあります。嫌味として使われることも多いですが、脳や精神の病気なので本人は悪いことだと気づかないうえに、直すこともできないのです。
良い感情と悪い感情のバランスが取れない病気なので、機嫌が良いと思ったら突然キレて怒りだすような症状や会話がかみ合わないことがあるときは、子供の育て方だけでなく怒っている人の病気を疑ってみるという考え方もあると思います。
怒鳴る前の対処の仕方など専門家のアドバイスが必要な場合もあるので、怒鳴る父親との関係に困ったときは精神科の受診も視野に入れておくべきだと思います。一番良くないのは我慢し続けることに慣れてしまうことです。
まとめ
子育てをしていると思い通りにいかないことはよくあると思います。時間に追われていたり、どうしてもいうことを聞かないときは、つい、怒鳴り声をあげたくなる気持ちも分かります。
しかし、そんな時は本当に怒鳴るほどのことなのか、自分の方に問題がないのかを見直したり、怒鳴っている人が自分で気づけないならすぐに反論ではなく、落ち着くのを待つように促すことが、家族にとって一番穏やかな解決方法だと思います。