お子さまの習い事にますます関心が高まる現代ですが、その中でも毎年ランキング上位に位置するピアノ。
今回はお子さまがピアノを習い始めるのに適した年齢やメリットをご紹介します。
また、高学年のお子さまをお持ちのお母さまは「うちの子はもう始めるタイミングが過ぎてしまったわ」と諦めてしまってはもったいないです。
音楽の楽しみ方、取り組み方は様々です。
何歳から始めてもピアノを通して、音楽に慣れ親しむ事はお子さまの一生の財産になるでしょう。
お子さまに早くからピアノを習わせたいなら何歳から?
ピアノは、88個の鍵盤に7オクターブもある広い音域で、同時にたくさんの音を奏でる事ができます。
またペダルを踏み込めば、より深みのある音色を作り出し、美しい鍵盤の響きは人々の心に感動を与えてくれます。
初心者から上級者まで、幅広くそれぞれのレベルで学んでいけるので、生涯の趣味にもなることでしょう。
お子さまに本格的に音楽に取り組ませたいとお考えのお母さまは、なるべく早くからお子さまにピアノを習わせたいと思うのではないでしょうか。
人の聴覚機能は2〜6歳頃までに完成するのですが、この発達段階にピアノなどたくさんの音楽に触れる事で耳が鍛えられます。
ですが、2〜3歳のお子さまですと、一定の時間じっとしているのは難しいですし、鍵盤にも指が届かないなど問題が生じてきます。
2〜3歳のお子さまでしたら、おうちで音楽を流しながら、ママと一緒に踊って体を動かしたり、おもちゃのタンバリンや太鼓など打楽器でリズムを刻んだり、身体で音を感じながら、聴覚を刺激するのがおすすめです。
ピアノを習う前の導入としてリトミックも幼児期のお子さまに人気です。
中には0歳から通える教室もあり早期から聴覚を鍛えられるでしょう。
鍛え方次第では【絶対音感】を身につける事ができます。
絶対音感とは音を聞いたときに、他の音を比較する事なく音階を聞き取れる能力です。
幼児期から繰り返し音の刺激を受ける事で身につきます。
絶対音感は必ずしも必要ではありませんが、ピアニストや調律師など音楽を専門にする職業の方には有利となります。
一方【相対音感】と言って、ひとつの音を基準にしてどの音階かを判断する能力があります。
相対音感は大人からでも鍛える事は可能です。
早期からのピアノ経験は、基礎練習をこつこつ積み重ね、技術や感性をじっくり育てる事ができます。ピアノを通してお子さまの人生観にも良い影響を与えるでしょう。
まずは2〜3歳頃までは音楽を楽しみながら聴覚を鍛えて、お子さまがピアノのに座れるようになる4〜5歳頃、遅くても6歳の聴覚機能が完成する前にピアノに移行すると良いでしょう。
ピアノが与える素晴らしい効果とは?脳機能を高めるには何歳から始める?
進学校である開成中学校ではピアノの授業があり、最後のテストでは自分で作曲した曲を演奏するそうです。
日本の名門校がピアノに着目しているように、ピアノが脳の発達にも良い事は広く知られています。
ピアノを弾いてるときの脳はどのような状態なのでしょう。
脳は大きく右脳と左脳に分かれていますが、ピアノの両手での演奏は右脳と左脳を同時に刺激してバランスを良くします。
そして右脳と左脳をつなぐ脳梁と言う神経が太くなり、情報伝達のスピードアップにつながります。
楽譜を先読みしながらも演奏する事は、全ての脳機能を同時に連動する事にもなり、運動機能や知的機能や感情機能まで向上して、小脳も大きくなります。
これらの脳の活動は全身運動に匹敵するとも言います。
また何度も練習をする事で記憶力を司る海馬が発達し、記憶力も高まります。
ピアノを習い始めてから4ヶ月くらいで効果が表れ、その後2年ほどで脳の構造も変化します。
音楽だけではなく、学力向上にも効果的です。
脳は6歳までに約90%まで成長します。聴覚と同様にお子さまがピアノに座れるようになってからスタートすると良いでしょう。
脳が急成長する4〜6歳、遅くても7歳までにピアノを習い始めると、脳のあらゆる機能を鍛える事ができ、脳の構造も変化します。
ピアノで高まる非認知能力とは?何歳から身につくの?
ピアノを上達するためには、毎日の練習が大切です。
まずは練習する時間を設定して、習慣化を目指しましょう。
練習時間は10〜15分程度です。
いきなり大きな目標を立てるのではなく、小さな目標を立てる【スモールステップ法】で達成感を積み重ねていくのが練習を継続するコツです。
はじめは練習がスムーズに進まないかもしれませんが、ママがお子さまに「練習をしなさい」と言うのはNGです。
お子さまが努力した事に注目して「頑張ったね!」と褒めてあげましょう。
練習が習慣化すれば、お子さまがのちのちひとりで練習する力も身につきます。
また、ピアノには発表会やコンクールがあります。
ひとつの曲を完成させるために目標を立て、努力をする。
毎日の練習の成果を大勢の人の前で披露するのは、お子さまにとって貴重な成功体験になるでしょう。
このようにピアノの練習や発表会などピアノを取り組む中で、集中力や忍耐力など【非認知能力】を高める事にもつながります。
非認知能力の特性とは
・感情をコントロールする力
・コミュニケーション力
・創造力や発想力
・忍耐力や継続力の強さ
・逆境を乗り越える力
現代は急速に発展を続けるAIの出現によって情報処理、豊富な知識量はコンピューターが瞬時にこなすようになると言われています。
人に求められる能力は地頭の良さや、数値化できない非認知能力に注目が高まっています。
非認知能力は幼児期に身につける事で、良い影響が長く持続すると言われており、お子さまの将来の進学や就職など、大事な場面で活かされます。
ピアノを通してやり抜く力が身につくでしょう。
何歳になっても役立つ?ピアノは英語の習得にも効果的?
これまでは小学5年生から英語の授業がスタートしていたところが、2020年4月
からは小学3年生からになりました。
そして小学5、6年生は成績に評価がつく事になり、英語の重要性が低年齢化して来ているようです。
ピアノなどの音楽経験には言語能力を高める効果もあるのです。
カナダの研究センターが発表した調査では、音楽を習っている子供と習っていない子供では、音楽を習っている子供の方が、外国語のRとLの発音の違いなどを聞き分けたり、文字や言葉を理解する能力が発達しているという結果があります。
ピアノの音の高低差や、和音の音の重なりを聞き分けたり、リズムの違いを聞き取る訓練を続ける事で、外国語のリスニングにも良い効果を発揮するというのです。
という事は、英語のトレーニングをする事で音を聞き分ける力も高まる事にもなります。
幼少期に1〜5年間の音楽経験があれば、言語と音楽に対する知覚能力が育ち、
もしピアノをやめてしまったとしても、言語処理能力が身についているので、音楽以外でもピアノ経験は役立つでしょう。
ピアノを3〜4歳から習い始める事で小学3年生から始まる英語の授業にもスムーズに取り組む事ができるでしょう。
お子さまの情操教育にもつながるピアノ。感性を磨くには何歳から始める?
幼児期からピアノを通じて音楽に取り組む事は情緒を磨く事にもつながります。
レッスンでは音楽を聞いたり、演奏する中で、楽しい、優しい、悲しいなど様々な感覚や情景をイメージしたり表現します。
演奏会に行く機会があれば、素晴らしい演奏に感動する事もあるでしょう。
音楽には人を楽しくさせたり、元気にしてくれたり、不思議な力があります。
普段のおうちでの練習のときに、お子さまが好きなように弾いているときはないでしょうか?
お子さまなりのイメージが頭の中に広っがっているのかもしれません。
小さな作曲家の演奏をママもじっくり聞いてあげましょう。
ピアノだけでなく、絵本や物語を読んだり、美術館での絵画鑑賞などで美的情操を高める事は、ピアノへの理解力を高める事にもなります。またピアノに触れていることがそれらの作品を理解するプラスにもなるでしょう。
ピアノを幼児期から継続する事で美的情操を育んでいく事ができます。
美的情操は美しさや優しさを感じ取る感受性です。
お子さまの人生を豊かにしてくれるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回はピアノを始める年齢と効果をご紹介しました。内容は以下の通りです。
・聴覚を鍛え、ピアノの技術を高めるのに良いタイミングは4〜5歳頃、6歳です。
・脳機能を発達させるには脳が急成長する4〜6歳、7歳に始めましょう。
・幼児期からのピアノ経験で非認知能力も高まります。
・音楽と言語には関係性があり、ピアノを習っていると外国語の習得にも効果的です。
・ピアノを通して心も豊かになり、芸術的感性が育まれ、お子さまの個性にもつながるでしょう。
ピアノは幼児期から低学年の間に習い始めるのが理想的なようです。
年齢的にお子さまの意思で始めるというよりは、ママの希望で始める事が多いのかも知れません。
練習などが、押し付けにならないように、お母さまが寄り添えるとお子さまがピアノを楽しみながら上達できる事でしょう。
幼児期から始められなかったとしても、全く効果がないわけではありません。ピアノには素晴らしい効果がたくさんあり、お子さまの習い事にぴったりと言えるでしょう。