幼少期に受けた暴力の影響はどれくらい大きいのだろう?

暴力はダメなことだと、多くの人が知っています。

「子供ができても絶対に手はあげない」

「虐待なんてもってのほか!」

けれど、そんな誓いが破られてしまうことは、実はよくあることです。

暴力という手段は破壊行為であり、侵害行為ですが、残念ながら誰でもできてしまうことです。そして、暴力晒されれば誰でも恐怖を覚えます。

子どもなら尚更です。

子どもは無条件で愛されるように、進化してきました。それに反して暴力を受ければ、自身の生存戦略は大きく狂わされ、もちろん大きな傷となって長らく残るのは想像に容易いでしょう。

暴力というのは決して肉体的なものではありません。

精神的なものも昨今は多いです。無意識に自分の子どもから自尊心を奪ってはいないか。

子どもが心身ともに健やかに育つように、常に意識したいことを確認していきましょう!

幼少期に影響を受ける「暴力」は一つじゃない。

boy taking selfie

日頃から暴力を振るわないよう注意している方はきっと多いでしょう。

でも、カッとなってしまった時に、体は押さえつけられても、口まで押さえつけられていますか?

視線や態度はどうでしょうか。

子どもの脳が「暴力」行為だと認知するのは決して肉体的攻撃だけではありません。

そしてそれが恒常化してしまうと、子どもの発達にも大きく影響が見られます。

特に心の影響は凄まじく、目に見えない歪な傷が生涯にわたって残ることも。

肉体的暴力といえば、殴る、蹴ると言ったものですよね。傷は体に残り、そして目に見えて消えていきやすいものです。

傷が消えても、殴られた痛みや衝撃を、脳は私たちが想像する以上に記憶します。

時には体の機能を麻痺させて、その衝撃から身を守ろうとすることも少なくありません。

幼少期に受けた暴力の影響というのは、一概に「どれくらいの期間」残るというふうには言い表せないくらい、脳に刻まれ続けます。

私の親もそこそこ厳しく、体罰は肯定派の方でした。

手のかかる時期に手をよく上げられました。今でも自分の頭上に腕が上がると、つい頭をかばい、身をすくめてしまいます。

他にも食事を与えないことなども該当します。大人以上に栄養が必要で、この時期に満足に食事が取れないと、発育不足に陥ったりします。

子どものときの体づくりが未熟だと、大人になってから、貧血や栄養失調と言った形で悩まされます。女性なら不妊の原因になったりする可能性も否めません。

次に、精神的暴力というものですが、こちらは無意識に行っている人も少なくありません。

  • 怒鳴る
  • 無視する
  • 暴言を吐く
  • 見せたくないものを見せる
  • 性暴力

子どもが問題行動を起こすとき、それは子どもが発しているSOSのサインです。

困っている子どもを、私たちは困った子と見做しがちですが、それを救い損ねると、困った大人になってしまうのです。

他者を侵害するような問題行動を起こさずとも、自己肯定感は低下し、自虐的、鬱、無気力、無関心、徘徊、自殺、緘黙症、多動といった行動が見られるようになるかもしれません。

自分が暴力に晒されていると子どもは気付きにくいからこそ、発露は遅れて、より複雑化した問題へと発展しやすいのです。

特に暴言は厄介で、傷つけるために発言しているつもりのものから、そうではないものまで。言葉は特に受け手の解釈に依存するので、含意されていない言葉の意味まで拾ってしまう子供もいるのです。

「産まなければよかった」

「どうしてこれができないの」

「迷惑かけないで」

そんな言葉を平気で吐く人もいます。

逆に応援しているつもりで、追い詰めるような言葉になったり。

子どもの権利条約などでも言われていますが、子どもに暴力行為を見せることも該当します。

性行為を見せることは性暴力ですし、見たくないものを無理やり見せられることで、五感が機能低下した事例も報告されています。

このように子どもが「暴力」と認知するものは多岐にわたります。しかし基本的人権を意識すれば、問題ものです。

支援と指導が必要なのが子どもですが、子どもも一個人です。それを意識して接することが大切ですよ。

子どもを暴力から守るに、怒りをコントロールしよう!

five human hands on brown surface

自身の言動を振り返ってみるとどれくらいの方が大丈夫だと断言できたでしょうか。

おそらくそんなに多くないでしょう。

子どもを育てるのは養育者ですが、社会全体で子どもを育てていく意識がこれからは求められています。

養育者とその周囲の人には、ぜひアンガーマネジメントをマスターして、子どもを身近な暴力からも守れるようになりましょう!

アンガーマネジメントとはアメリカで生まれたセルフコントロールの一つで、半世紀前から存在しています。

アンガーマネジメントは自身を幸せにすることにもつながります。子どもだけではなく、それを支えるみんなが幸せになれる手段を考えてみましょう!

 

つい子どもに怒鳴ってしまう場面などを考える

アンガーマネジメントの一つに怒りを数値化する「スケールテクニック」という手段があります。

1から10段階で自分がイラッとすることを評価して、客観的に自身を捉える手法です。

これは基本的に自分がイラッとした時に行う瞬間的なものですが、ここはひと工夫を加えて、評価して、かつどうするか考えておくことがおすすめです。

つまり、

  1. 日々の子育ての苛立ちを数値化する
  2. その苛立ちにぶつかった時の対策を考える
  3. 実行する

と言ったものです。アンガーマネジメントは冷静になれる手法の一つですが、日々切迫されている子育てにそんなゆとりはありませんし、その瞬間瞬間が重要ですよね。

落ち着けるだけではなかく、躾をするという観点でも対応策を考えておくことは重要なことです。

我が家では、壁に落書きをされた、ティッシュをぶちまけられた、夕食を残されたetcあげればキリがなく、その度、怒ったり、怒鳴ったり、あからさまな失望を見せつけたり。

怒ることは決して悪いことではなく、自身の感情を伝える手段ではありますが、子どもにとってそれは高度なことなのです。

ですから、できるだけ冷静に越したことはありません。

ちなみに夕食を残されることは8/10です。料理の手間とか、食材のこと、後片付け、、、関連していることが多いと、数値も高い気が(。;´・ω・)

どう言った声かけや対応が自分の子供にあうか、考えてみて、実践してみましょう。

トライアンドエラーという実験的な視線が加わると、なかなか冷静になれますよ!

一つの問題が発生したら、それが発生する要因や、誘発材料が見えてくるはずです。

「あぁムカつく!」で終わらせるのではなく、冷静になり、なぜだろう?と考えることが重要です。

暴力とは咄嗟に行動であり、反射に近いです。人は考えながら冷静に殴ったりはあまりしないでしょう?

子育て中だって離脱はあり!

もう一つはタイムアウトというものです。怒ってしまうと頑なになってしまい、決着がつくまでは動いてなるものか!という心境に陥りやすいですよね。

そんな時、あえてその場を離れるというものがタイムアウトです。

これは会話を放棄するのではなく、双方冷静になる時間を与えると同時に考える時間を持つためです。

一旦窓を開ける、お茶を入れる、トイレに行く……といったささやかなことで大丈夫。不自然さや、子どもが逃げるのでは、などいろいろ心配してしまうかもしれませんが、大丈夫。

幼少期に子どもが親の意見を遮ってまで自身の主張をすることは稀であり、基本受け身にならざるを得ません。

そうすると、言われたとことが徐々に耳から通り抜け……聞いてないなというわかる顔をされるとさらに口が止まらず。

負のループです。終わりが見えなくて。

こんなときに一旦タイムアウト。

怒りに任せて、ポトっと出てきてしまった取り消せない一言が……ということがなくなりますよ!

戻ってきたら、我が家では私から口火を切るのではなく、子どもに質問することから始めます。怒っていても、私たちは暴力ではなく、言葉でコミュニケーションを取り続けられるよう、常に心がけたいものです……!

肉体で語るのは、全てが終わってからのハグ!

子どもを安心させて、掘り返さない。愛していることを伝えましょう。

まとめ

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本稿のまとめは以下の通り↓

  1. 幼少期に暴力と認知するものは、肉体的暴力だけではない
  2. 言動、雰囲気など、発話者の意図と異なる解釈がされる可能性
  3. 幼少期についた傷は根深く、見えないからこそトラウマが残りやすい
  4. 暴力の自覚症状が遅れてくるため、大人になってから症状が発露し、「困った大人」とみなされることも。
  5. アンガーマネジメントなど、自分を冷静に、そしてトライアンドエラーでコミュニケーションを重ねよう!
  6. 子どもを暴力から守ることは、自身の精神をも守ることにつながる。

冒頭にも書きましたが、暴力が良くない、想像以上に、記載以上に子どもの全てに多大な類影響と傷を残すものだと、理解しているでしょう。

よくないと理解している人がこれほど多いにもかかわらず、近年虐待などのニュースはよく目にするようになりましたね。

理解でとどまらず、どうしたら、という施工プロセスで、子供と自分の健やかなる時間を守りましょう。