子育てをしていると、子どもの言動にイライラしてしまい、ついつい怒鳴ってしまうこともあります。
特に幼いころは「何でこんなことをやったの~!」と大人たちが理解できないような、びっくりしてしまうようなことをしますよね。
子どもは色々なことに興味を持ち、思い通りに成功する場合もあれば、失敗する場合もたくさんあります。
それを繰り返して学んで行きます。
失敗をしてしまったからといって頭ごなしに親が一方的に怒ってしまうと、子どもが萎縮する原因となってしまいます。
萎縮してしまうと今後の子どもの成長にも影響を及ぼしますのでその影響を良く理解しておかなければいけません。
子どもが萎縮しながら成長するとどうなるのか?
萎縮しないようにするために親はどうするべきなのか?
子どもの健やかな成長のためにも、どうすれば良いのか考えて行きましょう。
一方的に怒ると子どもが萎縮してしまう
子どもは好奇心が旺盛です。
個々の性格にもよりますが、思っていることはすぐに口に出し、これはやりたい!と思ったことに何でもチャレンジします。
そんな中で失敗することもありますが、その際に注意したいのが大人の目線だけでなく子どもの目線になって物事を考えてあげることです。
大人から見れば、
「あーあ。また失敗してる」
「こうした方が早いのに」
「何でそんなことするの?」
と思いがちですが、
子どもだって毎回、
「わざと失敗してやろう」
「大人を困らせてやろう」
などと思っているわけではありません。
ママを見ていたら大変そうだからお手伝いをしようと思って行動したのに失敗したり、頑張って真面目に取り組んでいるのに結果的に大人の思い通りにはならずに大人を困らせてしまった、ということがあると思います。
また、お友達やきょうだいとケンカになったときには先に手を出してしまった方が怒られてしまいがちなのですが、おもちゃを取ったり、ケンカの原因を作ったのはもう一人の方かもしれません。
そういった本人の事情を聞くことなく思い込みで一方的に怒ってしまうと、子どもが萎縮する原因となってしまうのです。
怒って大声を出してしまうと、子どもにとってはとてつもなく恐怖です。
大声を出すとそれで子どもは萎縮して、話の内容も理解ができません。
なぜ怒られているのかもわからないままになります。
子どもの自主性が育たない原因にも
子どもは言うことをきかないとまた怒られる、という気持ちがあると、言われたことに対してはやるようにはなるでしょう。
しかし、この時子どもが思っていることは「また怒られることが嫌だから言うことをきいている」のであって、自分の気持ちで行動しているわけではありません。
常に怒られていて萎縮して育ってしまった子は、自分の考えで行動しなくなります。
「怒られないと何もやらない子ども」になってしまい、自分で考えて行動するという「自主性」が育たなくなってしまうのです。
そして聞かれたことに対しては「何でもいい」という受動性を身につけてしまい、自己主張を抑えてしまう子になります。
そういう子は将来、自分から行動を起こせない「指示待ち人間」になってしまう可能性があります。
職場などで「あの人は指示を出さなければ動かない」と感じたり、周りからそういう愚痴を聞くことはありませんか?
自分の子がそうならないために、一人前の大人として世の中で働けるように、自主性を育てることはとても大事なことなのです。
「怒られないように」常に相手の顔色を伺うように
怒られながら育った人は、怒られない範囲の中でしか物事を考えたり、行動したりすることができないのです。
怒られない範囲で動いている人は、大人になって仕事上で何か新しいことを提案する時にも、常識の範囲の中でおさまるように自身でコントロールをしてしまっています。
そうなると新しいものは出てきません。
怒られることを怖がって萎縮してしまい、言われたことはやるが新しい事には挑戦できない、そんな大人になって行くのです。
そして友人関係でも苦労することになります。
常に相手の顔色を伺って自分の思いを内に秘め、相手に合わせてばかり、それで安寧を保とうとします。
最愛のパートナーができても、そうした我慢を重ねていくとうまく付きあって行くことはできないですよね。
そうなると関係の破綻ということにもなりかねません。
子どもの脳はストレスで変形することも!
親から怒られてばかりの子は、怒られると過度なストレスになり、いつの間にか子どもの脳を傷つけてしまうことがあります。
怒られて精神的に悪い影響を与えてしまうと、「聴覚野」や「視覚野」という脳の部位を変形させます。
ある小児神経科医の調査では、怒られたり暴言を浴びせられた子は言葉の理解力などが低下して心因的難聴になりやすく、脳の視覚野が萎縮するというデータもあります。
目からの情報を最初に受け取る力や記憶する力が弱まってしまい、知能や学習能力が低下する可能性が指摘されているのです。
心が萎縮すると脳も萎縮するというのは本当に恐ろしいですね。
それでも怒りすぎてしまった時には?
子どもは、どんな親であっても、親が大好きです。
親から愛されることを強く望んでいます。
誰よりも愛されたい人から怒られてばかりいると、自分が否定されていると感じてしまい、萎縮し自信もなくします。
自信をなくすと心の中には常に不安があるので、落ち着いて自分の感情をコントロールしたり、状況を見て自分で判断したりすることができなくなってしまいます。
「この子のために」とか「できないとこの子が苦労するから」と自分では子どもへの愛情だと思っていることが、ただ親が周りの目を気にしているだけだったり、親の都合や期待を子どもに押し付けているだけということが多いです。
最愛の我が子に間違った愛情の伝え方はしたくないですよね。
愛情だと勘違いして萎縮するほど怒ってしまっても、何もプラスにはなりません。
怒りすぎることがないよう気持ちの切り替えを意識しよう
そうわかっていても、親も人間で感情がある生き物です。
子どもには理性的に接しようと思っていても、ついつい感情的になって怒ってしまう場合はあると思います。
怒ってしまいそうになり、少しでも怒るのを思いとどまる余裕があるときは深呼吸してみて、気持ちの切り替えを意識してみてください。
そして、どうしてこんなに腹が立つんだろう、と原因を客観的に考えてみてください。
怒ってしまった後であれば、
「大きな声出してごめんね」
「言い過ぎてごめんね」
などと子どもに謝りましょう。
子どもはこの言葉があればすごく安心できます。
もしも感情に任せて怒ってしまったとしても、その後に愛情を感じられる親のフォローがあれば、子どもも萎縮せずに自信を持って生きていくことができることでしょう。
まとめ
子育てをしていると、「毎日何かしら怒ってるなぁ」と感じる方も多いと思います。
子どもも1人の人間です。思い通りに動いてくれるわけはありません。
人は思い通りにならない、自分のペースで動けないとイライラしてしまうものです。
ささいなことでもつい怒りすぎてしまい、1日の終わりに子どもの寝顔を見ながら「何であんなことで怒ってしまったんだろう」と後悔。
その繰り返しの毎日ではないですか?
しかし怒りすぎると子どもの人格や脳にも影響し、生きづらさを感じてしまうかもしれません。
我が子にはそうなって欲しくないと親なら誰もが願いますよね。
イライラしているとつい忘れがちですが、もしも怒りすぎてしまった時には子どものためにも早めに切り替えることができるように、常に意識しながら過ごしていきたいものです。