生まれて間もない赤ちゃんから幼児期まで、コミュニケーションツールとして使える便利な手遊び。
わかっているけど、レパートリーが少なくて……。とお悩みのパパやママもたくさんおられると思います。しかも、「そんなに歌が得意じゃないし……」と思ったりすることもありませんか?
保育のプロも現場で使っている手遊び歌は、多種多様。しかも、難しいものはありません!歌唱力不問、どのご家庭のパパママも絶対にできる、手遊び歌はたくさんあります。
ここで、「いやでも、別に手遊びでなくても、おもちゃとか一緒に遊べるものはたくさんあるし」とお考えの方。おもちゃ遊びも、絵本もお絵描きも確かに良くて、子供には必要です。でも、【手遊びの本当の力】を知らないと、もったいないことが山ほどあります!
子供は遊ぶことが大好きで、遊びの中から刺激を受け、色々なことを学んでいきます。
手軽に、時と場所を問わずに出来る手遊びには、子供への刺激がいっぱい!手遊びを知っていることで、子供の心はひきつけられて、親子の絆がぐっと深まること請け合いです!
子供をひきつける手遊びに【良い効果】?
手遊びは、そもそも楽しいからやるのですが、それだけではない【良い効果】が存在します。
保育士や幼稚園教諭といった保育のプロが、日々積極的に子供たちと手遊びをするのは、手遊びに【ねらい】があるからなのです。
保育指導案・日報という業務上必要なものへの記載に重要な点なので、プロはこの【ねらい】もチェックしています。
先にも書きましたが、子供は遊びからこれから生きていく為の基礎を学んでいきます。極論すれば、小さな子は、遊びからしか学ぶことができないのです。なので、手遊び歌には、学びや成長を促すための工夫がたくさん仕掛けられています。
我が子の成長を願う親ならば、これを活用しない手はないですよね!
手遊び歌の利点は、まず何といっても【大人と子供がコミュニケーションをとる事】です。手遊び歌での適切なスキンシップは、子供に安心感や大人への信頼感を養います。また、視線を合わせてするので、ちゃんと気持ちが通じ合っているのを確かめながら遊ぶことがでいます。
歌う、手を動かすといったことで、リズム感が養われ、脳の発達を促します。特に【手は第二の脳】と言われるくらいですから、年齢に応じた手の動きは重要です。
歌詞に出て来る、数や言葉も子供たちには大事!数えられるようになる、物の名前が分かるといった知識の基礎も作ることが出来るのです。
手遊び歌には、数々の利点があります。親子が目と目を合わせて、触れ合う遊びはそんなに多くはありません。パパやママと子供が互いに集中して遊ぶことができる手遊び。
そして、その一番の特徴は道具が要らない!
知ってさえいれば、いつでもどこでも、この効果がある遊びが出来るのです。
色々な種類がある毎日の遊びの中のひとつに、ぜひ取り入れてください!
年齢別!おススメの手遊び歌!
「手遊びをするのはいいけど、今の我が子に合う歌がわからない」そういうこと、ありますよね。そもそも「知らない」ということもあると思います。
道具がいらないだけに、どんな歌がいいのかしら?と悩むでしょう。
手遊び歌には、年齢に応じた様々なものがあります。それこそ、数えきれないほどです。
そして一応の「型」はあるものの、それ通りにやらなくては効果半減!などといったことはありません。
ただ、全く知らないでは、我が子との楽しい時間は送れません。
ですので、年齢別におススメの手遊び歌を、たくさん紹介します!
「この中でどれからするのがいい?」などと、難しいことは考えず、好みの歌からやってみましょう!ちなみに、動画では音楽がついているものもありますが、もちろんアカペラ推奨ですよ!
0~1歳
寝ているばかりだったと思いきや、あっという間に、周囲のものに、興味・関心を持ち始める1歳までの赤ちゃん。
脳の発達やリズム感を形成するのに、大事な時期です。
とはいえ、激しい動きや、早いリズムは当然ムリ。手遊び初心者のパパやママにとっても、ゆっくりで、優しく、わかりやすい歌ばかりです。
まずは、まだ首が座らない時期の赤ちゃん向けの手遊びを紹介します。
この頃は、寝ている姿勢の赤ちゃんに、パパやママが触るという遊びが中心になります。
『1本橋こちょこちょ』
足元から、指先でこちょこちょとくすぐりながら、上半身まで動かして、お腹の辺りで「こちょこちょこちょ~!」と、ほんの少し強めにくすぐる遊びです。
色々な動きで赤ちゃんを刺激してあげることができます。
『きらきらぼし』
誰もが知っている『きらきらぼし』のメロディに乗せて、赤ちゃんの手足を動かしてあげる遊びです。動画のように、歌詞に赤ちゃんの名前を入れてみたり、動きの様子を歌詞にしてみたりしながら、自由な発想で楽しむことができます。
『グーチョキパーでなにつくろう』
どの年齢の子にも使える歌ですね幼児向けの『グーチョキパーでなにつくろう』は知っているというパパやママは多いと思いますから歌いやすいですよね。こちらは、その赤ちゃんバージョン。身体の上で大人の手が動く感覚、腕をなでられたり、最後のくすぐりと、赤ちゃんには楽しい刺激がいっぱいです。
首が座らない時期からも充分楽しい手遊びがありますが、ここからは、生後半年頃からの補助具があれば座れる赤ちゃん向けの手遊び歌です。ちょっとだけダイナミックになります。
姿勢を変えることで、赤ちゃんの視界も変り、楽しさ倍増ですよ!
『ぷるるんぷりん』
少しダイナミックな遊びです。パパやママの太ももの上に寝かせて、歌に合わせて足を回したり、身体を揺らしてあげたり。あまり強くにならないように、優しくしてあげてくださいね。
『うまはとしとし』
パパやママの膝に乗せて、上下に揺らしながら歌ってあげる遊び。床に座ってバージョンと椅子に座ってバージョンと、1曲で2度おいしい遊び歌です。
『とんとんとんとん ひげじいさん』
これも有名な歌ですね。動画では大人が見せている様子になっていますが、1歳の赤ちゃんには両手を取って、歌に合わせて遊んでみましょう。目と目を合わせて、楽しく歌ってくださいね!
これらはほんの一例です。0~1歳の赤ちゃん向けの手遊びは、ゆっくりとしていて優しく・易しいものばかり。
これから手遊びを始めようという、パパやママにぴったりなのです!
2~3歳
2~3歳の子は、もう赤ちゃんとは呼びませんね。歌に合わせて身体を動かしたり、おしゃべりも上手になってくる頃です。
手遊びも更にダイナミックに!言葉をたくさん盛り込んだ歌がピッタリです!
手全体というより、指を動かすような手遊びを増やしていくことで、より脳への刺激を促すことができます。
また、数や名前、オノマトペなど、色々な言葉を覚えて使えるようになってくるので、遊び歌を使って、たくさんの言葉を教えましょう!
『おおきくなったらなんになる?』
2~3歳になると、色々な職業の名前がわかるようになってきます。この手遊び歌は、職業の名前と数を使っているので、子供は遊びながら将来の夢を考える下地を作り、数え方も学ぶことができますね。
『やきいもグーチーパー』
とても有名で、私などは「これが人生最初のじゃんけんだったような気がする」とまで思っています。動画のように、スピードを変えながら繰り返しすることで、子供は大喜びでじゃんけんをするでしょう。
『うさぎさん』
とても簡単な動きとメロディで、子供でもすぐに覚えてしまいます。
のんびりうさぎさん、せっかちうさぎさんなど、スピードを変えて繰り返してあげると、子供は変化を楽しみ、リズム感を養うことにも一役買います。
『コロコロたまご』
卵は何になるのかな?卵からニワトリになって、そして……。ストーリー性がある手遊び歌です。更に、手を結んだり、指を立てたりという動きが多いので、手指を器用に使う練習にもなります。
『かみなりどんがやってきた』
子供は【身体の部分を隠す系の手遊び】が好きな子が多いように思います。この歌も、隠さないと食べられちゃうぞ~と始めると、子供は楽しみながら身体の部分を触るでしょう。早さを変えたり、隠す部分を変えたりしながら、遊んでくださいね。
2~3歳向けの手遊び歌をご紹介しました。どうでしょう?ほんの少し、複雑な手遊びになってきていますよね。
そして、何より、子ども本人が動くという遊びになってきます。スピードやテンポ、ちょっとした歌詞の変更で、遊びの幅が広がるのが特徴です。
4~5歳
更にたくさんの言葉を理解し、思考力や積極性が出て来るこの時期。
ルールや、少し頭を使うもの、お友だちと遊ぶものなど、手遊びの世界もどんどん広がります。登場人物や、物事の手順を理解するなど、脳の発達も目覚ましい時期ですね。
この時期の子供をひきつける手遊び歌を見ていきましょう!
『アルプス一万尺』
みんなが知ってる超メジャー手遊びと言っていいと思います。少し複雑なんじゃ……と思うかも知れませんが、4~5歳くらいになれば、ゆっくりから始めて上手にできるようになります。動きが複雑な分、頭の体操にもなるので、おススメです!
『おべんとうばこのうた』
タイトルを見てもピンとこないパパママもいるかもしれませんが、「これっくらいの、おべんとばこに♪」と聞けばわかるのでは?この歌、2番もあるんですよ。手順を理解できる子には、たまらない楽しさがあると思います。
『くいしんぼうゴリラ』
動きが大きな手遊び歌です。色々な食べ物を探すゴリラを思い切り演じながら遊びましょう!食べ物の特徴を上手く表している歌です。最後のオチには、大人も笑えることでしょう。
『カレーライスのうた』
みんなが大好き!カレーライスを作る歌です。手順を理解できる子供にピッタリの歌でしょう。この歌の良いところは、作るだけでなく食べるところまでを再現できることです。歌の中で出来た食べ物を食べるというは、子供が大好きな遊びです。
『ずいずいずっころばし』
4~5歳くらいなったら、ぜひ日本のわらべ歌も遊びに加えて欲しいと思います。『ずいずいずっころばし』は、小学校に上がってもお友だちとやることが多い遊びです。ぜひ、今の内から子供に教えてあげてくださいね。
4歳~5歳といえば、ほとんどの子が保育園や幼稚園に行っている年齢ですので、園で様々な手遊び歌を習ってくると思います。
ですが、園でやるのとお家でパパやママとやるのは、子供にとっては全然違います。
どちらも嬉しく楽しいのですが、パパやママとやる手遊びは格別なのです。何故なら、1対1で目を合わせ、自分とだけ遊んでくれているという感覚は【愛情を強く感じている】状態だからです。
もしかしたら、パパやママが歌うのと、園の先生が歌うのが違っているかもしれませんが、そんな時は「じゃあ、先生に習ったのを教えて!」と子供に教わるのもいいですよ!
子供をひきつける手遊び歌にコツ!?保育のプロも意識する楽しく遊ぶ方法とは!
手遊び歌は歌唱力不問じゃなかったの!?そう思われたでしょうか。確かに全く難しいことはない手遊び。しかし、【楽しく遊ぶ】にはちょっとした意識付けが、より効果を高めます。
歌をたくさん知っているとか、歌が上手という話ではありません。
【パパやママが、どのような気持ちで手遊びをするか】これが大事なのです!
コツはたったひとつ!『どんな時も照れない』ただこれだけ!
子供相手に照れる?そんなわけないでしょう。そう思いますよね。それは自宅で1対1のパターンではありませんか?
しかし、時として手遊びは、外出先で効果を発揮することがあります。
外出先でぐずった時、お気に入りの手遊び歌で機嫌が直ることがあるのです。
あやす道具がいらないだけに、非常に便利です。ですが、慣れない内は、外でなかなか普段通りに歌えません。しかし、そこは照れずに、周囲に迷惑にならないような音量で、表情や抑揚などは普段通りにすることが、楽しめる秘訣です。
まずは【大人が楽しい!】と思わねば、子供に楽しさは伝わりません。楽しくやれば、相手が赤ちゃんだろうが喜んでいるのです!
保育のプロは、確かに【照れない】以外のテクニックを持っています。声の大きさ、抑揚の付け方、動き方、視線の巡らせ方……。専門知識と経験に裏付けされた、子供を楽しませる技です。
そもそも、照れていてはあのお仕事は出来ないのですが、恥ずかしがらないように意識はしていると聞いたことがあります。
保育のプロと、パパやママとの違いは何でしょうか?
プロは大抵の場合、一度に大勢を相手にせねばなりませんね。
一方私たち両親はどうでしょう?ほぼマンツーマンでいけますよね。多くても兄弟姉妹の人数です。しかも、大好きな者同士です。照れる必要のない相手、まずは自分が「楽しい!」と思って、子供たちと手遊びをしてくださいね!
子供をひきつけるには、パパママ自作の手遊び歌もイケます!
自作ってなに!?そう思いましたか?
しかし、皆さん見たことがあるでしょう?ピコ太郎さんの『PPAP』。単調なリズム、簡単な動き。あれで世界中の大人も子供もバカ受けしていました。
当然、彼はプロなので、計算の上であのような大ヒットを生み出せた訳ですが、パパやママは、目の前の我が子にヒットしさえすればいいのです。
でも、いくら我が子相手とはいえ「ええ~、すべったら怖いじゃない」と感じるかもしれませんね。
そんな心配な無用です。子供は、パパママがやってくれることは大体好きです。どんな馬鹿げた歌詞であっても、素っ頓狂なメロディーであっても、子供には大抵ウケます。むしろ、素人臭さ爆発の方がウケが良かったりするのです。
ただ、ここで「さあ、歌を作ろう!」というのは、さすがにハードルが高そうなので、少しだけヒントらしきものをご紹介します。
自作手遊び歌のヒント
自作手遊び歌の良いところは、「こんな手遊びがあったらいいなー」と思ったらすぐに作って試せるところです。
私も子供が小さかった頃には、色々と作りました。
最も我が子にウケたのは『パイナップルを食べたら、うんこになった歌』です。何と言うことはない、「パイナップルを〇〇ちゃんが食べて~お腹でぐるぐる回ってぇ、うんこになっちゃった~」というだけの歌。
動きは、パイナップルを食べるマネをして、お腹を大きくなでて、お尻をポンとするというものです。メロディーはその日によって違いましたし、パイナップルがミカンになったり、ハンバーグになったりと、なかなか汎用性の高い歌だったと思います。
自作手遊び歌には作り方というものはありません。
何となく、その時の気分で、目についたもの・思いついたことを歌詞にして、知ってるメロディーに乗せてもいいし、完全にオリジナルで勝負してもいい。
しかも、この自作歌は、1回きりのものになるかもしれません。思い付きで作った歌は、多くの場合すぐ忘れます。
でも、そこがまたいい!と私は思うのです。
私の子は未だに、あの変な歌のことを覚えているようで「中身は全く覚えていないが、変だったことだけは覚えてる」と言います。手遊び歌は、メジャーなものでも、自作のものでも、心の中に残るのですね。
パパママ作は、みんなが知っている手遊び歌とひと味違う楽しみを感じられるでしょう。
自作手遊び歌も、いつでもどこでもできる手遊びです。
難しく考えずに、子供と楽しむ気持ちでやってみてくださいね。
まとめ・子供が一番ひきつけられる手遊びは、パパやママが楽しいと感じている手遊びです!
ここまで読んでいただいてどうでしたでしょうか?
手遊び歌とひと口に言っても、たくさんの歌があって、たくさんの楽しみ方があるのだと感じていただけたでしょうか?
手遊びは、生後間もなくから小学校入学前まで、長い期間、親子のコミュニケーションツールとして機能してくれます。
私が特に好きなのは、「〇〇くん、〇〇くんはどこでしょう~?」と聞くと、子供が両手を上げて手をキラキラさせる動きをしながら「ここです、ここです、ここですよー!」と応えてくれるという歌でした。【なまえ歌あそび】といいます。
これは直接触れ合ったりする訳ではないのですが、家の中でよく行方不明になっていた息子を呼び出すのに活躍しました。子も好きだったようで、お気に入りのテーブルの下にいても、すっ飛んで来ました。
「あー、いたいた!〇〇くーん!」「はーい!」ぎゅう!というのを、日中ふたりでやっていた訳です。非常に楽しかったと記憶しています。
とても短い歌なのですが、こうしてお互いの存在を確認し合った後で、別の遊びに移るということができました。
【なまえ歌あそび】は一例ですが、手遊び歌には日常生活で、用事があって子供を呼んだり、ルールを教えたりする時にも使えるものがあります。
ただ、教育的価値に意識が行くあまり、楽しむことが二の次になってはいけません。
たくさんの手遊び歌を知っていることが良いというよりは、お気に入りの手遊び歌を繰り返す方が、子供の心に残ると私は思っています。
こちらで紹介した動画を見て、「あれ?私が小さい頃に習ったのと違う」と思われた方もいるかもしれませんね。
同じ内容の手遊び歌でも、時代や地域などによって違うことがあるようです。
その幅の広さもまた、手遊び歌のいいところです。
手遊び歌のバリエーションは無限です。
繰り返しますが、子供の心がひきつけられるのは、一緒に遊ぶ大人が楽しいと感じている手遊びです。
年齢別にご紹介をしましたが、4歳の子に1歳の子向けの手遊びをしてはいけないという理由はありません。そう考えると、パパやママの手遊びの持ち歌はどんどん増えてくるのです。成長に合わせ、動きを少し大きくして、懐かしい歌でも、新曲でも遊んで欲しいと思います。
今回ご紹介した手遊び歌は、ほんの一部。もっと知りたい!というパパやママに、こちらのサイトをご紹介します。たくさんの手遊び歌が動画も豊富に紹介されています。
さあ、親子で一緒に遊びましょう!