1歳近くなってきて、よちよち歩きが出来るようになると「そろそろ、外遊びに出かけようかな?」と考えますよね。そんな時、まず思い浮かぶのは【砂場遊び】ではないでしょうか?
実は、気軽に出来る砂場遊びには、パパやママが考える以上の、子供の成長を促す利点があります。
でも「砂場で遊ぶと服が汚れるし、何か菌とかいるんじゃない?」などと心配になって、砂場遊びをためらってしまうことがありませんか?
砂場遊びは幼児期の子供の発達や成長にとって、とても良い効果が期待できることがわかっています。メリットを知り、安心して遊ばせられるように気をつけたいことを見ていきましょう!
きっと、すぐに砂場へ出かけたくなりますよ!
幼児にとっての砂場は、メリットだらけの遊び場?
砂場遊びは、鬼ごっこやかくれんぼ、鉄棒や縄跳びといった子供の遊びの中でも、運動量・移動範囲が少なく、何となく地味な遊びのような気がしませんか?メリットだらけと言われても、ピンとこないかもしれませんね。
しかし、あの限られたスペースには、子供の成長と発達を促す多くの利点が存在します。
そう言われても、砂場に他の子供たちやママたちがいると入りづらい……、服が汚れるし……、デメリットの方が大きそう。と感じて二の足を踏むと、子供の成長のチャンスを逃してしまうかも!
まずは砂場遊びのたくさんのメリットをお話します。これまでパパやママが想像もしなかった効果を感じてもらえるでしょう!
幼児期の砂場遊びが、手先を器用にする
砂場遊びはとにかく手指を使いまくる遊び。しかも、砂というのは状態で触れる感覚が全く違うので、幼児の内から触らせることで、感覚を司る脳を刺激してくれます。
感覚をきたえると、当然手指の器用さがアップしますよね。
我が子より少し大きな子が、上手に泥団子などを作っているのを見ると、感心すると思います。その姿は、少し先にあなたのお子さんの姿でもあるのです。
砂だけでなく粘土で何かを作ったり、絵を描いたり、字を書いたりする時にも必要となる手先の器用さ。砂場遊びは、その基礎を作りますよ。
砂は、乾いた状態ではサラサラとしていて軽い、濡れているとジットリと重い、という状態の変化を感じることが感覚を鋭くしていくのですね。
更に、スコップをつかむ、砂をすくう、バケツに入れるといった道具を使うための動きを学びます。これらの点が、子供の手指の発達を促します。
砂場遊びは、一つの感覚遊びです。最初は色々なものに触るのが苦手な子でも、だんだんと興味を持つようになって、手をたくさん使った遊びをするようになるでしょう!
運動能力は幼児期の砂場遊びで発達する
砂場は運動量が少ないのですが、運動能力向上に役に立たないという事はありません。砂場は、子供にとってバランス感覚や体幹をきたえる絶好の遊び場です。
普段の生活でも転ばないようにするには、バランスが良くなくてはいけませんし、しっかりと自分の身体を支える筋力がなくてはいけません。
砂場はその両方を一度にきたえてくれる場所です。
体幹をきたえ、腕や脚の筋力をつけるのは、子供が活発にやりたいことをやる為に必要なこと。小さい時にたくさん身体を使った遊びをしていると、その後、学校での体育でも役立ってきます。
なぜ砂場遊びが、運動能力向上につながるかといえば、砂場は足元が不安定ですよね。その中で子供たちは、歩いたり、砂や水が入ったバケツを持って移動したりします。
その動きや、重いものを持つという繰り返しができることが、砂場遊びの利点なのです。
砂場遊びは、0歳児から出来る遊び。遊びながらトレーニングが出来るとは、やらない手はないと思いませんか?
幼児期の砂場遊びで想像力・観察力を育てる
砂は、変幻自在です。
子供たちは、乾いている・湿っているといった砂の状態を見て、色々なものを作り出します。
砂場の砂には少し大きめの石があったり、小さな貝が混ざっていたりします。それらを発見して、自分の作品に取り入れるという遊びが、子供たちの観察力や想像力を養うのです。
砂遊びといえば「泥団子」は外せません。これ一つ取ってみても、食べ物に見立てる想像力、丸いモノを「丸い」と見て取れる観察力が育っているからこそ出来るのです。
他にも、城を作ったり、山を作ったりと子供は様々なものを作り出します。城、山といっても、その形や大きさは、毎回違ったりすると思います。
砂はどのような形のものでも簡単に作ることが出来るので、幼児期の子供の能力を伸ばす効果が期待出来るのです。
砂場でモノづくりをしている子供の脳は、想像力と観察力をグングン伸ばしている最中です。砂場遊びは、子供の発想や物を見る力を養います。
幼児期に砂場遊びをすると、集中力・応用力が向上する
楽しい砂場遊びは、子供を集中させます。そして、作りたかった物が上手く出来なかった時には、次はどうしたら上手くいくかを考え、試します。
例えば、山を作るとして、大きく高い山を作りたいと思ったら、土台を広く作らなくてはなりません。子供はいきなりその答えを出すわけではないのです。何度も挑戦してみて、高く作るためには、下の方を大きくしなくてはいけないと学ぶわけです。
そして、大きな山を完成させるために、子供たちは集中します。
他にも、型抜きを使う時も、砂をギッシリつめないと上手く形が取れないとか、湿っている方がきれいな型が取れるから、水を混ぜるといったことも、経験によって身に付く応用力です。
砂の性質上、すぐに壊れてしまうという仕方のない部分があります。しかし、だからこそ、子供は、壊れないように集中して作り、応用力を発揮して工夫します。
砂場遊びは、子供を熱中させ、多くの失敗を学ばせてくれます。そして、完成した時の喜びも、次回の遊びの集中力と応用力につながっていくのです。
砂場遊びで幼児期から社会性を身に着ける
砂場遊びは、ひとりでも出来ますが、複数で一緒ということもありますよね。
自分以外の人と一緒に遊ぶことが、子供の社会性を育てます。
砂場は、ごっこ遊びの場になることもありますよね。ごっこ遊び自体が、社会性を養うのですが、砂場での遊びは、ここまでお話したメリットも含めた上に社会性を身に着ける事が出来るのです。
協力して大きな物を作るという経験は、砂場ならではかもしれません。パパやママにも、思い出の中にあるのでは?山を作って向かい合わせにトンネルを掘った経験が。肩まで砂山に腕を突っ込んで、真ん中辺りでお友だちの手と触れ合った時の喜びは、忘れられないのではないでしょうか。
公園の砂場は、誰もが遊べる場所です。誰の物でもないということは、皆の物ということ。
行ってみたら誰もいなくて、一人遊びになったとしても、「砂を別の場所に運び出してはダメ」といったルールを教えることが出来ます。この様な事も社会性を身に着けさせるのにつながりますよ。
砂場遊びは、お友だちとやると、他の効果も倍増します。【人数が多ければ、作る物も多くなるので手をたくさん使う】【一人の時より動き回る】【人数分のアイデアが出ることで、自分も考え、集中力や応用力がつく】。何より、お友だちと一緒なら、笑顔が増えますよね。お互いが笑顔で遊べるのは、社会性が身に着いているからです。
幼児との砂場遊びでは、パパやママの対応でメリットの効果がアップ?
砂場遊びの幼児期の子供に与えるメリットについて見てきました。想像以上にたくさんあるな、と感じませんでしか?
実は、砂場遊びのメリットの効果をもっと上げるには、パパやママの働きかけが必要です。
こう聞くと、「砂場遊びのやり方なんて、教えられないけど!?」と思うかもしれませんね。
ですが、全く難しい事はないのです。ちょっとした声掛けや、気遣いで、幼児期の子が砂場遊びから得るものがグンと増えますよ!
幼児は砂場でポジティブに遊ばせよう!
禁止されることが多いと、遊びがつまらなくなりますが、ポジティブな声掛けは、子供の心をウキウキさせます。
子供に限らず、人間はウキウキすれば、もっとそれをやりたくなるのです。
その為に、バケツやスコップやジョウロ、型抜きといった定番のおもちゃで、子供の気持ちを盛り上げましょう!
そして、禁止の言葉は極力封印!危険でない限りは、子供の遊びに口出しをしないというのも、楽しく遊ぶコツです。禁止の言葉が少なければ、更に自由な発想で砂場遊びを楽しみます。砂場での楽しみは、発達や成長とダイレクトに結びつくものです。
砂場遊びにはメリットがいっぱい。思い切り遊ばせてあげることが大事です。
砂場遊びで気になるのは、服が汚れること、お友だちとのケンカといったことが上げられるでしょうか?
これらは、大人の側のちょっとした工夫で避けられる問題です。
例えば、《服は汚れてもいい服を着せる》《ケンカは、タイミングを見て仲裁に入る(お互いのパパやママと連携できたら最高ですね!)》。こういったことです。
少しハードルが上がった気がしますか?大丈夫!
ここから読み進めてもらえば、楽しくポジティブに砂場遊びを楽しめるヒントが見つかります!
砂場は、子供にも大人にも気軽で楽しい遊び場所なのです。
パパやママも幼児と一緒に砂場に入って遊べば、楽しく安全!
砂場遊びで一番心配なのは、子供が砂食べてしまうという事態でしょう。これは、ありがちな事故です。しかし、これはパパやママが側にいれば防げる事でもあります。
万が一、食べてしまったとしても、少量ならばウンチと一緒に出て行くので様子を見て大丈夫。しかし、《食べた量が分からない》《砂場に何が落ちていたか分からない》といった場合には、病院へ連れて行きましょう。
危機の発見も、パパやママが砂場で一緒に遊んでいればこそです。
また、大きな石やガラス・プラスチック片、動物の糞、たばこの吸い殻といった物も落ちている場合があります。これらは、大人の目でないと発見と排除できません。
放置できない誤飲や怪我の原因になるので、しっかりチェックすることで、子供は安全に、楽しく砂場で遊べます。
最初のチェックだけでなく、パパやママが一緒に砂場に入っていれば、掘り返して出てきた危険物にも素早く対処できます。そうすれば、我が子が危ないものを触っているのを見て叱る必要もありません。
何より、パパとママが一緒に遊べば、幼児期の子は大喜びです。安全かつ楽しく遊ぶには、パパとママが一緒に砂場に入る。これが一番!
公園は誰でも入ることが出来る施設なので、行くたびに砂場の状態は変化していると考えましょう。昨日はなかったたばこの吸い殻が、今日は落ちてるなんて事もあるのです。
幼児にとっては何より大事!パパやママの【砂場でのマナー】
砂場遊びの主役は子供!と言っても、我が子が他の子の迷惑になっても自由気ままにさせていいわけではありませんよね。とはいえ、何かあるたびに叱ったりしては、砂遊びが楽しくなくなってしまいます。
でも大丈夫!子は、親を一番身近な手本にして学びます。パパやママのマナーの良さが、そのまま我が子のマナーにつながるのです。
あいさつが出来る子の親は、誰にでもよくあいさつをしますよね。順番を譲ったり、お友だちに優しい声かけをしている子の親は、その通りの行動をしているものです。
逆に、他の子より大きい子が、一緒に遊んでいる子のおもちゃを取り上げて、泣かせていても、平気な顔をしている親御さんもいます。スマホを見ていて、我が子の行動に気づいていない場合も!
子供は、親のことをよく見ています。砂場でのパパやママが、他のパパやママや子供たちにどのように接しているかを見て、「自分もこうしよう」と行動を決めているのです。
子は親の鏡とはよく言ったもので、幼い子であればあるほど、親の影響を良く受けます。
この性質を、育児に取り入れない手はありません。
《こんな子になって欲しい》という理想があるならば、その理想の行動をパパやママが示すことで、子供はそこから学びます。
公園の砂場は、他の家族が来る事も多い場所。気持ちの良いあいさつを交わし、一緒に砂場に入って、持って来たおもちゃを借りたり貸したりしながら、正しいマナーを遊びながら教えることが出来るのです。
幼児期から、砂場で遊んだ後にはしっかり手洗い習慣!
習慣づけるのに、必要なのは繰り返しです。砂場遊びが終わったら、水と石鹸で手を洗うというのは、親の都合だけでやっていることではありません。
子供本人に、遊んだ後は手を洗うのだという習慣をつけ、清潔を保つことを学ばせることが出来ます。潔癖まで行くのは却ってよくありませんが、汚れたら洗うという当たり前のことを学ばせるいい機会です。
最初の内は、手を洗わないままでおやつを食べようとしたりすることがあるかもしれませんが、そこで叱らず、冷静に「遊んだ後や食べる前には、手を洗うんだよ」と教えてあげましょう。好きな匂いのハンドソープでモチベーションアップしてみるのもいいかもしれません。
幼児期の習慣は、その後の人生の習慣になることがあります。歯磨きの習慣、顔を洗う習慣、ハンカチを持ち歩く習慣。それらはほぼ、パパやママが幼児期の我が子に躾けたものです。
こういった生活の基盤になる習慣は、大きくなってからつけようとしても難しいのです。
歯磨きの習慣がつかなかった子は、学童期に入って虫歯に悩まされることになるし、手洗いの習慣がなかった子は、風邪を引きやすい傾向があります。風邪は、自分の症状は軽くても、他の子にうつした場合が怖いですよね。
手洗いの習慣を身に着けさせることで、子供は、汚れた後でも、清潔にすれば美味しくおやつが食べられるんだな、と学習します。手をきれいにしなくては、ご飯が食べられないと学ぶことは、健康を維持する上で重要です。
《砂場遊びは、手を洗うまでが遊び》と親子で最後まで楽しく、ゴシゴシしましょう!
幼児の砂場遊びで気になるのは【服】!汚したくなければ【砂場服】も検討しよう!
メリットがあるのは分かったけれど、砂場遊びは服が汚れるからイヤだ……。と思うパパやママは多いかもしれませんね。
たしかに、砂場から帰った後の我が子の姿は、私は今も思い出すと笑えます。
どうしたら、そんなに砂まみれに!?とよく思ったものです。袖といわず、裾といわず、服のあらゆる部分から、パラパラパラパラ……。
お風呂では、髪の毛の中からも砂が!というのは、よくある事でした。
《砂場には、汚れてもいい服で行こう!》なんてことは、誰でも分かっているのです。でも、汚れてもいい服=捨ててもいい服ではありませんよね。洗ってまた使えなくては困ります。
服によっては洗っても砂が取り切れないこともあります。そもそも、泥ジミは落ちにくいもの。砂場遊びには、どんな服がいいのか悩みますよね。
そんなパパやママにご紹介するのが【砂場服】です。
【砂場服】とは文字通り砂場専用の服で、1着2,000~3,000円ほど。
【砂場服】にはたくさんの種類があります。
手芸が得意な親御さんなら、ナイロン生地で自作!という人もいて、ネットで《砂場服 手作り》で調べると、作り方のサイトがたくさん出てきます。中には100均のナイロン袋をリメイクという猛者も!
素材や形も様々ですが、共通するのは、子供の体を服の上からスッポリと包み、砂の汚れからガードしてくれることと、持ってさえいれば、急な砂遊びにも対応できることです。
「今日のお洋服は汚れたら困るから、砂場遊びはまた今度ね」と切ない宣言をせずに済みます。砂場服の利点は、とにかく服がよごれるのを気にせずに済むこと。
構造上、服の中に砂が入るのも防いでくれるので、落としにくい砂の汚れも心配無用。砂場服ならば、泥でのシミが残ったとしても、気にせずにいられます。
軽く、単体で持ち運びができるので、遊び行くときのバッグとか、ベビーカーなどに常備しておけばOKというのもメリットでしょう。
ご家庭によっては「砂場には砂場服必須!」というところもあるようです。そこそこ値段がすることと、ピッタリサイズでないと、隙間から砂が入るのであまり意味がないから、サイズアウトでの買い替えが必要という部分もあります。自作は大変ですしね。
汚れの完全シャットアウトを目指すなら、ビニール製の長袖長ズボンタイプがおススメですが、暑い日には熱中症が心配。季節を問わず砂場服を着せたいパパやママは、綿素材の物も中古を視野に入れ、併せてそろえてもいいかもしれませんね。
基本的には汚れてもいい服なら何でもいい砂場遊びですが、着ている服の上からスッポリと着られる【砂場服】。導入を検討されてはいかがでしょう!?
まとめ・幼児にとっての砂場遊びはメリットいっぱい!親子で楽しみながら、成長を促そう!
砂場遊びのメリットや、効果を上げるコツなどを見て来ました。
私の子が幼児期の頃には、砂場遊びについてのメリットなど考えたこともありませんでしたし、服の汚れも諦めたことがたくさんありました。
しかし、振り返ってみると、たしかに我が子は砂場で学んだことが多かったと思います。子供はものを作るのが大好きですから、上手に作れるまで、色々なことをやっていたし、年上の子からのアドバイスもしっかり受けていました。
自分より年下の子が来た時には、自分のおもちゃを貸してみたり、自分が習ったことを、その子に教えたりと、コミュニケーション能力をきたえていたのかな、と思います。
パパやママにとっても、他のご家庭の子や親御さんと仲良くなるチャンス!保育園・幼稚園・学校情報なども、教えてもらえることがありますよ。ただし、コミュニティがしっかりすると、排他的になってしまうこともあるので、そこは柔軟に新しい親子とも仲良くできる雰囲気づくりをしましょう!
砂場は、0歳児から未就学児、小学校低学年までの子も遊ぶことが出来る素敵な場所です。しかも、親子でも楽しいですよね。
楽しみの輪が広がるきっかけにもなる砂場遊び。まずは大人がマナーを示すことで、子供も楽しく遊べます。
楽しみながら、能力を伸ばし、体力をつけ、社会性を身に着けられる、幼児期の子にとっては、最高の遊び場だと思いませんか?
幼児期にめいっぱい遊んだ子は、その後の学力も高くなる傾向があるといいます。思い切り楽しく遊ぶには、体力や器用さや想像力、発想力、社会性といったものが必要です。
砂場遊びは、そのいずれもを子供に与えてくれる、メリットだらけの遊びですね!